JR九州高速船 対馬「混乗便」に 増便増席で国内客利用拡大を

混乗便の国内線客の客席数が拡大するジェットフォイル「ビートル」

 JR九州高速船(福岡市)は、韓国・釜山(プサン)-博多で運航している国際航路のジェットフォイル「ビートル」(客席191席)のうち、一部(同26席)を仕切って比田勝(長崎県対馬市上対馬町)-博多で国内線客も相乗りできるようにした「混乗便」について、7日から国内線客の客席数を78席に増やした上で、増便する。日韓関係の悪化に伴い、韓国人利用客が減少していることを受けた措置で、国内観光客の利用拡大を図る。
 12月30日までの予定。同社は「この時期の対馬はモミジが色づくなど見どころが多い。対馬に国内からの観光客を呼び込むための一助になれば」としている。
 同社によると、国内線客の客席数拡大に加え、従来は週3往復だった便数も、多客期などを除いてほぼ毎日1往復する。
 同高速船は韓国人訪日客の減少を受け、8月中旬から1日2往復の釜山-博多の直行便のうち、一部を比田勝を経由する便に変更。1日2往復していた釜山-比田勝便は、1日1往復に減便している。
 混乗便は、九州郵船(福岡市)が国内線客用に仕切ったジェットフォイルの客席数分を借り受ける「用船契約」を締結し、JR九州高速船が運航している。九州郵船は、国土交通省九州運輸局に客席数や運航便数を拡大する運航計画と事業計画の変更届を9月25日に提出し、今月2日付で認可された。
 九州郵船も「混乗便の増便・増席で、本土からの団体客が比田勝港から入り、(対馬南部の)厳原港から出るという2泊3日のツアーも可能になる。ぜひ利用してほしい」としている。

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