DeNAはなぜエース今永でなく石田を選んだか キーワードは“横浜スタジアム”

DeNA・石田健大【写真:荒川祐史】

石田は本拠地防御率1.98、対阪神戦防御率0.00

■DeNA – 阪神(CS・5日・横浜)

 DeNAは5日から始まる「クライマックスシリーズ・セ ファーストステージ」の先発に石田健大投手を起用した。定石通りであれば、チーム最多13勝の今永昇太投手が有力とされていたが、蓋を空ければ今季40試合中、7試合で先発登板した石田。「データが大事」と話した監督が注目したのは部分とは一体どこなのか?

 石田は今季40試合を投げ、4勝1敗、防御率2.14。今永は25試合に先発し13勝7敗、防御率2.91だった。防御率だけを見れば石田が上だが、先発としての“キャリア”では今永は負けていない。ラミレス監督は石田の先発起用について「年間通じて安定した投球をしているし、横浜スタジアムで41イニングを投げて3勝0敗。うちの投手陣の中では横浜スタジアムでの勝率がよかった」と説明した。

 ラミレス監督が注目する“本拠地防御率”。今季のDeNAの先発陣から、CS出場が予想されるメンバーの成績を振り返りたい。

○横浜スタジアムでの成績
石田 防御率1.98 18試合41回、3勝0敗5ホールド
上茶谷 防御率2.26 11試合6勝1敗
今永 防御率3.14 17試合7勝6敗
浜口 防御率3.15 5試合1勝2敗
井納 防御率3.73 10試合4勝2敗
平良 防御率3.60 8試合4勝2敗
大貫 防御率5.50 8試合3勝4敗
バリオス 今季登板なし

 石田は今季、救援としてスタート。7月中旬から先発として回り、8月末には再び救援に入った。最後に先発したのは9月16日の中日戦(ナゴヤ)で、横浜スタジアムでは4試合に先発し2勝0敗だった。

 ラミレス監督はこう話す。「実は阪神がCS行きを決める前に自分の中である程度、このローテーションで行こうと頭にあった。もちろん阪神とのデータとかも見て、石田で行こうと決めた」。当初から横浜スタジアムでの好投データが頭にあったのかもしれない。

 また今永も悪くない数字だ。連投となれば先発起用ではなくブルペン入りの可能性もある。石田には「できれば5回以上投げてくれれば」と望んでおり、初戦から救援登板の可能性も否めない。

 同メンバーの今季、対阪神戦での成績は以下の通り。

○対阪神戦
石田 防御率0.00 7試合 すべて救援
今永 防御率3.26 4試合1勝2敗
浜口 防御率3.29 5試合2勝2敗
上茶谷 防御率3.38 6試合2勝2敗
大貫 防御率3.93 4試合2勝2敗
バリオス 防御率4.66 2試合0勝2敗
井納 防御率5.40 2試合0勝0敗
平良 防御率6.75 1試合0勝1敗

 阪神戦には7試合全て救援での登板、で防御率は0.00と完璧な投球を見せている。2戦目以降も奇策が講じられそうだが、本拠地での成績は関係してきそうだ。

 この短期決戦での采配のキーワードを尋ねられたラミレス監督は、「プライド。DeNAはホームで圧倒的な勝利数を誇っていますし、横浜スタジアムではベストなチームだというプライドを持って臨めば、阪神にも勝てると思っている」と話した。

 今季、阪神相手には8勝16敗1分と負け越したが、本拠地での試合は43勝28敗1分と大きく勝ち越している。よくヒーローインタビューなどで聞かれる“ファンの皆さんの声援が力”というセリフは、数で証明されているのだ。そんな横浜のファンの大歓声を力に、難敵・阪神を倒して駒を進めたい。(Full-Count編集部)

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