DTM第9戦ホッケンハイム:王者ラストがウィットマンを下す。GT500勢はバトンが9位に

 DTMドイツ・ツーリングカー選手権第9戦ホッケンハイムは10月5日、現地時間13時30分から38周の決勝レース1が行われ、2019年DTMチャンピオンのレネ・ラスト(アウディスポーツ・チーム・ロズベルグ/アウディRS5 DTM)がマルコ・ウィットマン(BMWチームRMG/BMW M4 DTM)とのバトルを制し優勝。今回3台がゲスト参戦しているスーパーGT GT500勢の中では、ジェンソン・バトン(TEAM KUNIMITSU/ホンダNSX-GT)がDTM勢と堂々のバトルを展開。9位でフィニッシュした。

 午前中に降り続いた雨は止み、ドライコンディションで迎えたDTM第9戦ホッケンハイムの決勝レース1。多くのファンが訪れ、今回日本からゲスト参戦しているホンダNSX-GT、レクサスLC500、ニッサンGT-RニスモGT500という3台のスーパーGTマシンに高い注目が集まるなか、現地時間13時30分に土曜決勝レース1のフォーメーションラップのスタートを迎えた。なお、このレースまで最終的にDTM車両とGT500車両の性能調整は施されないままレースを迎えている。

 しかしその瞬間、まさかの光景が目に入る。21番手グリッドにつけていた松田次生の35号車ニッサンGT-Rが、プロペラシャフトにトラブルを抱えたようで、発進できず。GT-Rはピットに押し戻されることになってしまい、レースは20台でスタートが切られた。

 スタートからポールポジションスタートのラストがリードを築くなか、2番手にはマイク・ロッケンフェラー(アウディスポーツ・チーム・フェニックス/アウディRS5 DTM)、ウィットマン、ティモ・グロック(BMWチームRMR/BMW M4 DTM)らが続く展開。6番手からスタートしたバトンのNSX-GTは、スタートでやや順位を落としつつも、ジョナサン・アバーディーン(WRTチーム・アウディスポーツ/アウディRS5 DTM)らとバトルを展開していった。

 一方、20番手スタートとなった平川亮の37号車レクサスLC500は、1周目にピットインを行い、クリアラップを走る作戦を採る。途中、フィリップ・エング(BMWチームRMR/BMW M4 DTM)のストップによりセーフティカーが導入されると、この間に平川はピットストップを敢行。また、トップを走るラストとウィットマンの差がなくなり、リスタート後はふたりのマッチレースとなっていった。

 終盤、ラストとウィットマンは激しいバトルをみせるが、最後にトップに立ったのはラスト。2019年チャンピオンの実力をみせ、1.693秒差のリードでチェッカーを受けると、最終コーナーのランオフエリアでスピンターン。装着していたレーシンググローブとシューズをスタンドに投げ入れ喜びを爆発させた。3位にはロッケンフェラーが入った。

 トップ10を争う戦いを展開したバトンは、17周目にピット作業をこなしややタイムロスしたものの、ブルーノ・シュペングラー(BMWチームRMG/BMW M4 DTM)やジョエル・エリクソン(BMWチームRBM/BMW M4 DTM)らと終盤バトル。最後は同郷の友人でもあるジェイミー・グリーン(アウディスポーツ・チーム・ロズベルグ/アウディRS5 DTM)やエリクソンらを抑え9位でフィニッシュ。GT500勢の最上位につけレース1を終えた。

 また作戦をきっちりと果たした平川は、アバーディーン、ピエトロ・フィッティパルディ(WRTチーム・アウディスポーツ/アウディRS5 DTM)を抑え13位でフィニッシュを果たした。一方、松田次生のGT-Rは、NISMOのメカニックが迅速な作業で修復を果たし、待ちわびたスタンドから多くの喝采を浴びながらコースイン。17周遅れで完走扱いとはならなかったが、ドイツのファンにその走りをみせ、10月6日にレースを戦うロニー・クインタレッリのためにデータを持ち帰った。

DTM第9戦ホッケンハイムのスタートシーン
ジョナサン・アバーディーンらとバトルを展開するジェンソン・バトンのNSX-GT
途中導入されたセーフティカーのリスタート。ラストとウィットマンのバトルとなった。
マイク・ロッケンフェラーのアウディ
フィニッシュ後、スタンドに向けてガッツポーズをみせるレネ・ラスト
平川亮のレクサスLC500は13位でフィニッシュした。
松田次生のニッサンGT-Rはトラブルでスタートできず。悔しいレースとなった。

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