学校の枠超え たすきリレー 女子合同チーム完走 五島市中学校駅伝大会

2区高尾さん(久賀、左)からたすきを受け取り、走りだす3区奥野さん(嵯峨島)=五島市中央公園

 長崎県五島市で4日にあった市中学校駅伝大会に、生徒数が少ない嵯峨島・久賀・玉之浦の3校で結成した女子合同チームが出場した。単独では選手編成ができないためで、この日限りの特別メンバー。学校の枠を超えて仲間にたすきをつなげる喜びを感じながら、最後まで笑顔で走りきった。
 女子の部は1チーム5人で編成するが、3校の登録選手はいずれも5人に満たない。複数校でつくる合同チームは、県中体連の規約で県大会への出場はできないが、市中体連は「たすきをつなぐ経験をさせてあげたい」と、市大会に限りオープン参加枠を設けた。過去にも2015、16年に男子の久賀・奥浦、16年に女子の嵯峨島・玉之浦の合同チームが出場した。
 今回の合同チームは、嵯峨島と久賀の各1人、玉之浦の3人で結成した。このうち嵯峨島小中は福江島の西に位置する二次離島、嵯峨島にあり、中学生は奥野いつみさん(2年)だけ。普段はバドミントン部の奥野さんは昨年の大会で、他のチームがたすきを渡している姿を見て「やってみたい」と感じていたという。
 合同チームの結成が決まった後、夏休みごろから駅伝に向けた練習を開始。駅伝大会当日までメンバーと一緒に走る機会はなかったが、教員と一緒に練習してきた。同校の増田祥子校長は「普段、同世代の中学生と一緒に活動する機会は少なく、駅伝を走れるのはとても良い経験」と喜ぶ。
 3区奥野さんは久賀の高尾倖花(こはな)さん(2年)からたすきを受け取り、2キロを完走して玉之浦の中山澪香さん(3年)につないだ。チームの結果は9チーム中8位だった。奥野さんは「きつかったけど、たすきをしっかり渡せてよかった。来年も走りたい」と充実した表情を浮かべていた。

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