国交省/建築BIM一貫活用へ指針素案提示/設計段階から維持管理考慮

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国土交通省は、BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)を建築生産・維持管理システムで一貫して活用するため、指針を策定する。4日に指針の素案を示した。指針ではBIMモデルの作成の方向性を明示。システムの段階ごとに関係者の役割分担やBIM詳細度の要求水準などを整理したワークフローを固める。国際標準・基準にも照らしながら、日本の現場実態に適した共通ルールを打ち出していく。年度内の原案策定を目指す。

「BIM標準ガイドライン(BIMワークフロー)」は▽概要(目的、BIMモデルの作成、ワークフローの標準化、必要な情報の流れとメリット)▽BIMワークフロー▽成果物▽エレメント別のモデリングガイド▽BIM実行計画-の5項目で構成する。

BIMは形状(3Dデータ)と情報(属性データ)から成る。いずれのデータ量も竣工まで後工程になるほど増えていくが、維持管理段階では建物の日常的な管理や改修時に必要な情報だけ絞り込む。そのため、設計、施工、維持管理で共通で求める「基本情報」を設定。設計段階から維持管理・運営に考慮し、建築生産・維持管理システムで作業工程を前倒しするフロントローディングの実現を目指す。

発注者にとってのBIMのメリットも紹介。BIMを活用し続けることでデータベースを構築でき、他のプロジェクトの計画立案やプロジェクト管理に有効活用できるとした。

素案は、4日に東京都内で開いた建築BIM推進会議の下部組織「建築BIM環境整備部会」(部会長・志手一哉芝浦工業大学建築学部建築学科教授)の初会合で示した。冒頭、あいさつした長谷川貴彦住宅局建築指導課長は「BIMは公共事業でも使うが、利用の中心は民間、マーケットベースになるだろう。市場の皆さまが共通イメージを持てるフローにするのが最大のポイントになる。現場の状況を踏まえて活発に議論していただきたい」と述べた。

部会では学識者らが、業務ごとに必要な人工(にんく)や業務報酬など現場実態を反映した議論の必要性を指摘した。