茨城国体アーチェリー 少年女子 有終の3位 成年で優勝 目指す

【アーチェリー少年女子3位決定戦、長崎-大阪】シュートオフを制して声援に応える長崎の(左から)朝永(諫早東高)、高見朋(足立新田高)、高見愛(同)=つくば市茎崎運動公園多目的広場

 アーチェリー少年女子3位決定戦、運命が決まるシュートオフの最終3人目。高見愛(東京・足立新田高)は撃った瞬間に確信した。「いったな」。矢はきれいな放物線を描き、ど真ん中の10点へ。雨上がりの会場に、3人の雲ひとつない笑顔が広がった。
 前日の準決勝も第4セットを終えて4-4。シュートオフまでもつれた末に惜敗した。全員が高校トップレベルの力を持つ“ドリームチーム”。優勝だけを見ていただけにショックは大きかった。高見愛の双子の妹、高見朋(同)は「宿舎に帰っても、しばらく引きずっていた」。
 その夜、3人で話す時間をできるだけ長く持った。慰め合い、励まし合う中で、もう一度戦う心が整った。「絶対にメダルを持って帰ろう」
 その思いを共有した3人は、強かった。先陣を切った朝永(諫早東高)は「個人の頑張りがチームのためになる」と集中力を高めて高得点を並べた。2人目の高見朋は第3セットに10点を連発。そして高見愛。確実に得点を重ねて勝負を決めた。2試合続けてシュートオフで負けるようなチームではなかった。
 佐世保市内に住んでいた小学生のころ、アーチェリー体験会を通じて競技に出合った3人。いまや日本を代表する選手に成長し、来年からそろってシニアへステージを移す。高見愛は言う。「成年女子は岩手国体以来、結果が出ていない。私たちで優勝させたい」。ドリームチームにはまだ、続きがある。

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