トレードが噂されるRソックス・ベッツ 新天地候補は4球団?

レッドソックスの筆頭オーナーであるジョン・ヘンリーは、来季の年俸総額をぜいたく税の対象とならない2億800万ドル以下に抑える方針を明らかにしている。球団社長のサム・ケネディは、高額年俸のムーキー・ベッツとJ.D.マルティネスの両方を2020年も自軍にキープしておくのは難しいとの見解を示しており、来季終了後にフリーエージェントとなるベッツのトレード放出の可能性が取り沙汰されている。球界屈指のオールラウンダーであるベッツの新天地候補として、MLB Trade Rumorsのマーク・ポリシャックはナ・リーグの4球団を挙げている。

ベッツは以前からレッドソックスとの契約延長よりも、フリーエージェント市場に出て自身の価値を試したい意向を明らかにしており、レッドソックスがベッツのFA移籍により得られるドラフト補償指名権よりも、ベッツのトレード放出により得られる若手有望株を欲する場合は、ベッツを含む大型トレードが実現しても決して不思議ではない。ただし、ベッツの来季の年俸は2000万ドルをはるかに上回ることが確実であり、来季終了後にフリーエージェントとなることを考えると、新天地候補はポストシーズン進出を狙うであろうチームのみに限られる。また、若手有望株を豊富に抱えているとはいえ、宿敵のヤンキースにベッツを放出するようなことはあり得ないだろう。

そうした状況を踏まえ、ポリシャックが新天地候補として挙げるのは、フィリーズ、パドレス、レッズ、メッツの4球団である。大型補強を施して今季を迎えたフィリーズは、81勝81敗の勝率5割という期待外れの結果に終わった。再び優勝争いに挑むべく、ベッツの獲得に動く可能性はある。ただし、ベッツの獲得よりも投手陣の整備が優先課題となるだろう。

パドレスは、フェルナンド・タティスJr.ら生え抜きの若手有望株が着実に成長し、チーム再建を順調に進めている。昨オフはマニー・マチャドを10年3億ドルの超大型契約で獲得したが、チーム再建のラストピースとしてベッツの獲得を検討する可能性はありそうだ。

レッズは、ディック・ウィリアムス野球部門社長が年俸総額を増やす予定であることを明言。今季は投手陣の整備が進んでおり、打線強化のためにベッツの獲得に動くかもしれない。

メッツは正中堅手が不在であり、ベッツはチーム状況にフィットする存在である。ただし、昨オフから今季にかけてのトレードで多くの若手有望株を放出しており、レッドソックスを満足させる交換要員を用意するのは難しそうだ。

レッドソックスは年俸総額を抑制したうえで覇権奪回を目指すために、どのような手を打つのか。ベッツが今オフの移籍市場における注目株の1人となることは間違いなさそうだ。

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