浅井健一&THE INTERCHANGE KILLS、宇都宮公演「BLOOD SHIFT TOUR 2019」ツアー初日怒涛の幕開け!

9/25(水)に浅井健一名義としては5年振りとなる傑作、『BLOOD SHIFT』をリリースし、そのアルバムを携え、全国20カ所を巡る浅井健一&THE INTERCHANGE KILLSのツアー「BLOOD SHIFT TOUR 2019」が10/6(日)宇都宮HEAVEN’S ROCK Utsunomiya VJ-2にて幕を開けた。

ソールドアウト公演となった会場は超満員。埋め尽くすオーディエンスをザッと見渡して気がついたのは浅井健一のキャリアと共に年齢を経たであろうファンはもちろん、おそらく地元のファンだろうと推測するのだが、家族連れ、まだ10代とおぼしきロック少年など、とても幅広い年齢層が会場に詰めかけている事。

程なくしてライブがスタート。浅井健一&THE INTERCHANGE KILLSが音を出すだけで、日常を忘れ、別世界への旅行にいざなってくれる。浅井健一自らのキャリアから新旧織り交ぜて演奏される珠玉のナンバー。アッパーなナンバーではスリリングなドライブを、そしてディープなナンバーでは陽の光すら届かない、海の底へ。目の前でグレッチが鳴る。

怒濤のベースライン、繊細かつ大胆なドラミング、そして浅井健一の歌声。たった3人の人間が音楽を奏でるだけで、明日からの世界が変わる。そう、音楽とは演者と自分だけの間にあるという事を改めて思い出させてくれる。その聴衆おのおのの想いが重なった時、それだけを「共感」と呼びたい。今回のライブでは確かにそれが感じられた。

腕が無数に突き上げられ、咆哮と共にダイブが続出するハードなナンバー、かたや澄み切った水が満ちた湖に一粒の水玉が落ち、それがしじまとなって広がっていくような緊張感を持ったナンバーなど、静動併せ持った浅井健一が持ちうる独特の世界が広がり、聴衆はその世界にひたすら没頭しているのが感じられた。

また、最近の浅井健一のライブでは、フロアーから投げかけられた呼びかけに浅井自身が答える事がある。今の浅井健一&THE INTERCHANGE KILLSでの活動の充実振りが垣間見える瞬間でもある。

鮮烈な印象を残し、時間を忘れさせるライブ。メンバーがステージを去ってもアンコールは鳴り止まず、幾度もライブの終了を告げる会場アナウンスが流れてもオーディエンスがフロアーを離れようとしない姿が印象的であった。ツアーはまだ始まったばかりだ。

是非、今の浅井健一&THE INTERCHANGE KILLSの強烈なライブを体感して欲しい。

(文/林 拓一朗 写真/岩佐篤樹)

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