石川佳純、連覇狙う 激戦必至のプラチナ大会<卓球・ドイツオープンシングルス見どころ>

写真:連覇狙う石川佳純(全農)/提供:ittfworld

<ITTFワールドツアープラチナ・ドイツオープン 2019年10月8日~10月13日>

10月8日からドイツオープンが開催される。6日まで開催されていたスウェーデンオープンに参加していた選手は連戦となり、ハードな戦いになるだろう。今大会は世界ランキングポイントが多く加算されるプラチナ大会だ。五輪代表争いに向け、各選手は上位進出を狙い火花を散らす。

今回は男女シングルスの見どころを紹介する。

男子シングルス見どころ

写真:2018ドイツオープンの水谷/提供:ittfworld

日本勢は15人がエントリー。張本智和(木下グループ)、水谷隼(木下グループ)、丹羽孝希(スヴェンソン)が本戦からの出場となる。

日本男子で注目すべきは、水谷だ。先日のスウェーデンオープンでは、それまで3連敗中だった鄭栄植(チョンヨンシク・韓国)を4-2で破ってベスト16。ベスト8をかけた試合では樊振東(ファンジェンドン・中国)に0-4で敗れはしたものの、ドライブ連打の展開でも互角に渡り合った。プラチナ大会であるドイツOPは五輪出場権にとっても非常に重要なものになる。是が非でも勝ち進みたいところだ。

張本は、過去2回のドイツオープンでは、いずれも本戦1回戦で敗退と、良い結果を残せていない。とはいえ、現在の世界ランキングは5位。上位を十分狙える実力は持ち合わせている。今年のドイツOPでは結果を残せるか注目だ。

丹羽も、先日のスウェーデンオープン本戦1回戦で、神巧也(TT彩たま)との日本人対決を制し、6月の香港オープン以来のワールドツアー本戦1回戦突破を果たした。今大会は勢いに乗り1つでも多く勝ち星を掴めるか。

他国の参加選手では、許昕(シュシン・中国)や樊振東などの中国トップ選手はもちろん要注意だが、今大会は地元ドイツのティモ・ボルドミトリ・オフチャロフパトリック・フランチスカらが日本勢の大きな壁となるだろう。

3選手とも本戦からの出場で、昨年の同大会ではフランチスカがベスト4、ボルがベスト8と、好成績を残している。勝ち上がるためには、彼らドイツ勢を攻略することが必要となる。

女子シングルス見どころ

写真:2018ドイツOPの伊藤美誠(スターツ)/提供:ittfworld

日本勢は16人がエントリー。伊藤石川佳純(全農)、平野美宇(日本生命)、佐藤瞳(ミキハウス)が本戦からの出場となる。

要注目は、昨年のドイツオープン覇者の石川だ。スウェーデンオープンでは、シングルス本戦1回戦敗退となったが、平野と組んだ女子ダブルスでは準優勝と、調子は悪くない。準決勝で鄭怡静(チェンイージン・中国香港)、決勝で徐孝元(ソヒョウォン・韓国)と難敵を破って優勝した前回大会のようなプレーができるか期待が高まる。

伊藤は先日のスウェーデンオープンでは堂々の準優勝を果たした。昨年に続く連覇とはならなかったが、決勝では世界ランキング1位の陳夢(チェンムン・中国)とフルゲームの大接戦を演じた。準々決勝で王曼昱(ワンマンユ・中国)、準決勝で孫穎莎(スンイーシャ・中国)を破った実力にもはや疑いの余地はない。連戦の疲れはあるかもしれないが、優勝も射程圏内だ。

昨年の同大会で、平野は本戦2回戦で徐孝元に2-4、佐藤は本戦1回戦で石川に0-4と、両者とも悔しい結果に終わっている。今大会ではさらなる飛躍を誓う。

また、今大会は中国トップの丁寧(ディンニン)、朱雨玲(ジュユリン)、劉詩雯(リュウスーウェン)が参加を見送っており、世界ランキング10位以内の中国選手は陳夢王曼昱孫穎莎のみ。

他にも本戦から出場する選手には、地元ドイツのハン・インペトリッサ・ゾルヤ、今シーズンワールドツアーシングルス2勝の陳幸同(チェンシントン・中国)といった実力者が揃っており、一筋縄ではいかない戦いになることが予想される。しかし、中国トップ選手が少ない今大会は、日本勢にとっては上位進出のまたとないチャンスだ。

文:ラリーズ編集部

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