ターミナルビル着工へ地鎮祭 佐世保市浦頭地区クルーズ船整備事業  事業主「佐世保は将来性ある」

クルーズ拠点整備事業が進む浦頭地区の完成予想図。中央の施設がターミナルビル(カーニバル社提供)

 国際クルーズ拠点整備事業が進む佐世保市浦頭地区で7日、ターミナルビル建設の地鎮祭があった。建設の事業主体となる世界最大手のクルーズ会社、カーニバルコーポレーション&PLC(カーニバル社)は、免税店を設けるなど施設の概要を公表。地元との連携を強調した。
 市などによると、ターミナルビルは鉄骨1部2階建てで、延べ床面積は約6500平方メートル。総工費は約18億円。2020年4月に供用開始予定で、近く着工する。
 ビル内には免税店や待合所を設け、送迎デッキも整備。地元の特産品を取り扱うスペースも検討する。周囲の海や山の景観に調和したデザインを採用した。
 整備事業は国土交通省と市、カーニバル社の3者で進める。国交省は岸壁と泊地、市はバス駐車場や臨港道路などを整備。運用開始後、カーニバル社は優先的な岸壁の使用が可能となる。20年は佐世保港全体で年間200回程度の寄港を見込んでいる。
 地鎮祭には関係者約60人が出席。神事で安全を祈願した。その後、事業主体の3者が記者会見。カーニバル社の上級副社長、レムコ・ビュイス氏は「佐世保は将来性がある」と評価。乗客の地元への周遊については「それはわれわれの狙いでもある。地元と協力し、独自の企画を開発していきたい」と語った。
 朝長則男市長は「事業の節目を迎えた。佐世保市の観光を推進しつつ、市外の活性化も大事にしたい」と述べた。

地鎮祭の神事で安全を祈願するビュイス氏=佐世保市針尾北町

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