BSL4情報開示認めず 長崎地裁判決「当事者適格を欠く」

 長崎大が長崎市の坂本キャンパスに建設中の感染症研究施設「バイオセーフティーレベル(BSL)4」について、周辺住民らが大学などに対し施設で使用する病原体の入手方法などの情報開示を求めた訴訟で、長崎地裁(土屋毅裁判長)は7日、原告らの訴えを退ける判決を言い渡した。
 原告は、建設地の周辺住民ら約2千人でつくる「BSL4施設計画の差し止めを求める会」と住民4人。施設から病原体が漏れれば住民の健康に危害が及ぶ可能性があるとして、憲法の幸福追求権や知る権利などに基づき、研究の中身や事故発生時の避難経路などの情報開示を求めていた。
 土屋裁判長は判決理由で、「求める会」は会の趣旨に賛同する個人を広く会員として認めており、BSL4計画と生活上の利害関係はないと指摘。「当事者適格を欠き不適法」として請求を却下した。個人4人の訴えについても、憲法を根拠にした情報開示請求は認めなかった。
 同会などはこの裁判とは別に、施設の建設差し止めなどを求める訴訟も同地裁に起こしている。

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