長崎県内景況7~9月期 駆け込み需要で持ち直し 先行きやや悪化見通し

 十八銀行系のシンクタンク、長崎経済研究所(長崎市)は7~9月期の県内企業景況調査をまとめた。全産業の業況判断指数(BSI)はマイナス9と、一部にみられた消費税増税前の駆け込み需要の影響で前期(4~6月期)実績から4ポイント持ち直した。ただ、消費税率引き上げ後の消費マインドの悪化を懸念し、先行き(10~12月期)は3ポイント下落のマイナス12を見込む。
 研究所は、軽減税率の導入やポイント還元策などの政府施策を踏まえ「増税前の駆け込み需要が(2014年の)前回ほどなく、反動減は小さいとみられる」とみる。その上で「ポイント還元制度が終了する来年6月以降の消費の落ち込みが懸念される」とした。
 7~9月期のうち製造業全体はマイナス4と前期から7ポイント改善した。業種別では造船など輸送機械が船価低迷のほか、大手造船所の受注減の影響でマイナス10に悪化。先行きは、中堅・中小造船で高操業を維持し、横ばいのマイナス10を見込む。食料品は、長雨などの天候不順からやや低下しプラス5。先行きは観光客の回復を期待しプラス25と、高い予測となっている。
 非製造業全体は前期から3ポイント改善しマイナス11。小売は、家電を含む高額商品で駆け込みの動きがあり、マイナス13に持ち直した。
 BSIは前年同期と比べて業況が「好転」した企業から「悪化」した企業の割合を引いた数値。8月末までの1カ月間、県内主要402社にアンケートし、334社(製造業84、非製造業250)が回答した。

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