ルノーF1首脳、リカルドとオコンの激しいライバル関係を予想「難しい対応を強いられるかもしれない」

 ルノーF1チームのマネージングディレクターを務めるシリル・アビテブールは、2020年にダニエル・リカルドと新加入のエステバン・オコンとの間で激しい戦いが見られると予想している。それにうまく対応するのは簡単なことではないが、そういうふたりを走らせることがチームの向上に役立つと、アビテブールは考えている。

 メルセデスのリザーブドライバーとして控えの1年を過ごしたオコンは来季、戦いの場に復帰する。23歳で元フォース・インディアのドライバーであった彼は、ニコ・ヒュルケンベルグの後任としてルノーでF1キャリアを再開することになる。

 リカルドのスキルと経験が、今なお成長を遂げているオコンの才能と組み合わされることにより、ルノーのラインアップは興味深いものとなるだろう。しかしアビテブールによると、これがチーム内で火花を散らす状況を招く可能性もあると話す。

「(エステバンは)ダニエルを打ち負かしたいと願うだろう。ドライバーを管理するという点で、我々はピットウォールにおいて、いくらかの課題を抱えることになる。だがそれは良い問題でもある」とアビテブールはFormula1.comに語った。

ダニエル・リカルドとニコ・ヒュルケンベルグ(ルノー)

 アビテブールは、ルノーが経験豊富なヒュルケンベルグとの契約を4年に延ばすことはせずにオコンを選んだ理由にも言及しており、それは何よりもチームの原動力となる部分を改善するためだったと主張した。

「私が望んだのは、“飢えている者たち”を迎え入れることだ。この競技に参加することを喜び、成功を渇望する者を求めている」

「非常に長いキャリアの人間には、F1にいること自体を優先し、勝つことはそれほど重要ではなくなってしまう者がいる。それがF1において時に持ち上がる問題なのだ。だが私は、どのタイミングであっても、ルノーにおいてそういう人間を欲することはない」

「誤解してほしくないのだが、ニコのことを話しているわけではない。彼は表彰台や勝利を渇望していた」

「けれども22歳でキャリアの初期段階にいて、多くの戦いをこなさなければならなくて、証明すべきものもたくさんある彼(オコン)に関して言うと、また違った原動力があるように私は感じている」

「そうした原動力が、我々のチームにとっては適していると感じるのだ」

「もしも単純にエステバンの方が優れたドライバーだから彼を選んだのかと聞かれても、それに対する答えはない。しかし、チームの原動力の面で(オコンの方が)いいと考えたのかと聞かれれば、イエスと答える」

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