マクラーレン・メルセデスの復活を元王者のハッキネンが喜ぶ「F1全体にとっても重要なこと」

 元F1世界チャンピオンのミカ・ハッキネンは、マクラーレンがようやくスランプから立ち直りつつある状況を喜ばしく思っている。

 マクラーレンはこれまでにF1で8回のコンストラクターズタイトルと、12回のドライバーズタイトルを獲得しており、ハッキネンは同チームとともに1998年、1999年の二度に渡って王座に就いた。

 輝かしい業績を挙げてきたマクラーレンだが、2012年にランキング3位を獲得した後、厳しい時期を迎えた。パワーユニット(PU/エンジン)パートナーとしてホンダと提携していた時代には特に苦しみ、2017年にはランキング9位にまで落ち込んだ。

 しかしマクラーレンは2019年、復調しつつあり、第16戦終了時点でランキング4位につけている。ハッキネンはこれをうれしく思い、また、マクラーレンが2021年から再度メルセデスのパワーユニットを使用するというニュースについても、前向きな感想を示した。

2019年F1第16戦ロシアGP カルロス・サインツJr.(マクラーレン)

「マクラーレンが比較的高い競争力を示せる状況に戻ってきたのを見て、とてもうれしい」とハッキネンはロシアGP後にUnibetの自身の連載コラムに書いている。

「ロシアではマクラーレンによる力強いパフォーマンスが見られた。特にレーススタート直後には、カルロス・サインツJr.とランド・ノリスのふたりが、メルセデスのドライバーたちを追い上げていた」

「予選で6番手と8番手を獲得し、そのポジションでフィニッシュした。それによってマクラーレンはコンストラクターズランキングでレッドブルの下の4位の座を固めることができた」

「そして、2021年からメルセデスのエンジンを使うというニュースがあったのも非常に重要なことだ。私は二度のタイトルをマクラーレン・メルセデスで勝ち取っている。今週は、私がマクラーレンで20回目であり最後の優勝を飾ってから、ちょうど18年目に当たる」

「過去に非常にうまくいったパートナー関係だ。チームのトップであるアンドレアス・ザイドルは、このことをマクラーレンが再び勝者となるための戦略上、鍵となる要素と位置づけている」とハッキネンは続けた。

「マクラーレンがメルセデス、フェラーリ、レッドブルに加わり、勝利をかけて戦うという決意をしたことは、彼らとF1の双方にとって重要なことだ」

「2019年シーズンはまだ終わってもいないが、すでにF1は2020年や2021年にまで目を向けている。新しいレギュレーションによって、より多くのチームが勝利をかけて戦うことが可能になるはずだ」

「今季も残り5戦だ。最後までトップ3の接戦は続いていくだろう」

「フェラーリはスピードと加速力によって有利に戦えるだろう。そのことが、メルセデスとレッドブルに違った戦略を採ることを強いるかもしれない」

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