今こそ台風での自然災害への対応を見直すべき理由

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損害保険はひっそりと変わっている

暮らしの中で一番身近な損害保険は、火災保険でしょう。消費税増税があったことであまり取り上げられていませんが、火災保険の保険料が、2019年10月から改定されました。

国内で大規模な風水害が相次いで起こっており、保険金の支払いが増加したことが背景にあり、損害保険料率算出機構が、参考純率を引き上げました。この参考純率を元に、各社が保険料を算定しています。

火災保険料は、「保険金額」「保険期間」「建物の所在地」「構造」などからリスクを想定して計算されます。防火性能が高かったり、保険金を安くしたり、水害に対しての特約を外したりすることで、保険料が安くなるわけです。ただし、保険金を下げるのはおすすめしません。

例えば、保険金が1000万円で加入していると、損害を受けると当然1000万円が保険金として支払われると思っている方もいらっしゃいますが、実はそうではありません。必ずしも、「保険金」=「支払われる金額」でないことがあります。

また、普通、「住宅」と「家財」などで、それぞれ保険金額を決めて加入しますが、家族が多ければ、家財の保険金額の設定は高くなります。

ただ、保険料を安くするために、家財の保険金額を少なく見積もるという方もいらっしゃいますが、これでは実際自然災害が起こったときに、自己負担の金額が多くなってしまうので、あまりに保険料を節約するのも考えものなのです。

損害保険の見直しに必要な知識とは

「超過保険」と「一部保険」という名前を聞いたことはありますでしょうか? 保険金額の設定の時に、よく使われる言葉です。

超過保険とは、評価額を超える保険金額の契約をいいます。損害を受けた時に、実際の損害より多くの保険金が支払われることはありませんので、保険金額を高く設定していると、保険料がむだとなります。もし、評価額を超える保険金額を設定しても、保険金は評価額が上限となります。つまり、保険で儲けることはできません。

一方、一部保険とは、評価額を下回る保険金額の契約をいいます。これでは、実際に災害がおきても、十分な保険金を受け取れないこともあります。「保険金をいくらに設定するのか」ということは、とても大事なのです。

また、損害保険の場合には、特約も大事です。「個人賠償責任保険」や「借家人賠償責任保険」などは、ぜひ付保しておきたい特約です。

賠償責任保険は、本人とその家族が対象となります。高額の損害賠償が話題になっている、自転車事故にも対応できます。自転車保険の加入を強制とする自治体も出てきていますが、対応できている人ばかりではありません。

そのほかにも、子どもが他人とぶつかってけがをさせたり、飼い犬が他人を噛んでしまったりと、日常生活に伴うさまざまな事故に対応できます。費用対効果の高い、おすすめしたい保険です。

こういう保険は、保険料を安くすることばかり考えず、それよりも、「何か起こったときには困る」という視点から、加入を考えていただきたいものです。

損害保険のトラブルにどう対処する?

近年、台風、豪雨、大雪、地震などの災害後に、住宅修理に関してのトラブルが増加しています。自然災害で起こるすべての損害が保険でまかなえないことも考えられますが、意外と「加入しているから安心」と中身についてあまりわかっていない方もいらっしゃいます。

そんな中、実際に自然災害が起こった時に、「保険金を使って修理すれば良い」という勧誘文句でリフォームを請け負うものの、契約後、実は保険でまかなえないことがわかり、解約を申し出たものの、高額な解約手数料を請求された。

もしくは地震で住宅が崩壊して保険金を請求したものの、「一部損」と認定され、半損認定を求めたものなど、個人と業者、個人と保険会社などさまざまなトラブルが生じています。

業者相手であれば「国民生活センター(※1)」、損害保険会社が相手であれば、日本損害保険協会「そんぽADRセンター(※2)」などに相談すると良いでしょう。

保険に加入するのであれば、中身をしっかりと把握していないと、損害を受けた時に「使えない」では加入した意味がありません。日本は地震大国ですし、近年はゲリラ豪雨が起こることも珍しくありません。

先日は、数年ぶりに過去最大の台風が関東を直撃しました。消費税増税は大きいニュースですが、ぜひ、家計の見直しとともに自然への備えを追加していただきたいものです。

(※1)独立行政法人 国民生活センター
(※2)一般社団法人 日本損害保険協会「そんぽADRセンター」

執筆者:當舎緑
社会保険労務士。行政書士。CFP(R)。

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