オリ山本由伸は間違いなく世界に通用する? 元侍スコアラーが断言できる理由

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オリックス・山本由伸【写真:荒川祐史】

2009年WBC侍ジャパンチーフスコアラー・三井康浩氏が解説

 野球日本代表「侍ジャパン」は11月に行われる「WBSCプレミア12」の代表メンバーを1日に発表。今季、防御率1.95でパ・リーグの最優秀防御率のタイトルを獲得したオリックスの山本由伸投手がメンバー最年少、21歳で選出された。稲葉篤紀監督も先発、中継ぎ、抑えとどこでもできる右腕に大きな期待を寄せており、代表のキーマンとなりそうだ。2009年のWBC日本代表のチーフスコアラーを務め、対戦国の分析をしていた三井康浩氏(元巨人スコアラー)は「山本投手は世界で通用する」と断言。その理由を解説した。

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 山本投手はストレートの速さ、変化球のコントロールが素晴らしい。状況によって投球を変え、ピンチの時にボール球で勝負ができる。ご覧になってわかる通り、勝てる投手の要素を備えています。特に追い込んだ時、打ち取るために張る伏線がポイントです。アウトコースの直球を投げておいて、そこから同じ軌道でスライダーやカットボールで空振りやファウルを誘う。あるいは外の直球を伏線にして、今度はインコースからのカットボール、外のスライダーを見せておいて、最後はインコースの直球で勝負といったように、真っ直ぐの速さと、変化球の精度に加え、両サイドを使ったコンビネーションでうまく攻めることができる。幅広い投球ができる。

 それに、チェンジアップの抜け具合が素晴らしい。腕の上げ方が独特ですよね。始動からの「1」「2」が速くて、次の「3」に行くまでの間合いが長い。そうなると、どうしてもバッターが前にずらされてしまう。打者は前にずらされても、何とか粘ろうとしますが、そこに速くて、小さい変化球が来る。そうすると、また余計に崩される。バッターも次からはそう思っていると今度は、150キロのストレートがインコースにくる。次はアウトサイドに決められる。攻略方法は難しい投手です。

 今回、プレミア12でメンバーに選ばれましたが、最年少とはいえ、山本投手は世界の打者にも十分に通用する投手です。外国人の選手は投手も打者も間合いがない選手が多い。山本投手のような投球術は、その間合いで打者を打ち取っていけると思います。間合いがあるピッチャーは使い勝手がいいので、どんな場面でも使えると思います。もしも、起用法を問われるとするならば、私は抑えがいいのかな、と思います。1点差でも任せられるのは、彼が1番の適任だと思うからです。今季、先発としても成績を残したのでもったいないと思う方もいるかもしれませんが、プレミア12だけでなく、五輪や次回のWBCも主力として、そしてクローザーとしてマウンドに立つ姿を見てみたいです。(三井康浩 / Yasuhiro Mitsui)

プロフィール
三井康浩(みつい・やすひろ)1961年1月19日、島根県出身。出雲西高から78年ドラフト外で巨人に入団。85年に引退。86年に巨人2軍サブマネジャーを務め、87年にスコアラーに転身。02年にチーフスコアラー。08年から査定を担当。その後、編成統括ディレクターとしてスカウティングや外国人獲得なども行った。2009年にはWBC日本代表のスコアラーも務めた。松井秀喜氏、高橋由伸氏、二岡智宏氏、阿部慎之助選手らからの信頼も厚い。現在は野球解説者をしながら、少年野球の指導、講演なども行っている。