IR「誘致賛否聞く段階でない」 市民説明会で横浜市

横浜市役所

 横浜市は8日、全18区で12月から順次、開催予定の、カジノを含む統合型リゾート施設(IR)誘致に関する市民説明会で、参加者に誘致の賛否を問わない考えを示した。「現在は賛否を聞く段階ではない」とした。

 同日の市会決算特別委員会局別審査で、荒木由美子氏(共産党)の質問に伊地知英弘政策局長が答えた。

 伊地知局長は説明会の目的を「市の課題、IRの経済的・社会的効果、カジノ規制の内容、治安や依存症対策について、しっかり説明するのが必要」とし、「まずは日本型IRについて正確に知ってもらうことが優先」と説明した。市によると、説明会の参加者にアンケートは配るが、賛否を問う項目は設けない予定。

 荒木氏は、誘致表明前の6月に市が4区で開いた説明会でも同様だったことに触れ、「質問項目としておかしい。説明会という以上は、賛成・反対を聞くべき」と再考を求めた。

 藤崎浩太郎氏(立憲・国民フォーラム)は、IRに今後、マイナスの判断材料が出た場合、誘致を撤回するのか質問。これに対し、小林一美副市長は「メリット、懸念事項の対策の深度化をやるつもりで、マイナスになるということは考えていない」と答えた。

 IRに賛成の立場を取る自民党・無所属の会の高橋徳美氏は、誘致への意気込みを問うた。小林副市長は「人口減少、超高齢化社会が見込まれる中、市民の安全安心、子育て、医療、福祉にも予算を確保していくためのIRと考えている」と答えた。

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