はだしで踊れる海を守ろう 菅原小春さんら五島でワークショップ 子どもたちと「パプリカ」、砂浜清掃も

「パプリカ」の曲に合わせて、子どもたちと一緒に踊る菅原さん=五島市、高浜海水浴場

 世界で活躍するダンサーの菅原小春さん(27)と、姉でシンガー・ソングライターのタテジマヨーコさん(31)が6日、長崎県五島市三井楽町の高浜海水浴場で、ライブやダンスワークショップを開いた。菅原さんが振り付けを担当した人気の楽曲「パプリカ」を子どもたちと一緒に踊った後、参加者全員で砂浜を清掃。いつまでも、はだしで踊れる砂浜を守ろう-。ダンスの楽しさと共に、自然を大切にする心も伝えた。
 イベントは姉妹と交流のある東京の写真家、阿部裕介さん(29)と、市民有志でつくる団体「Connectors510」が企画した。阿部さんは1年ほど前から五島を数回訪れる中で、島を悩ます海洋ごみ問題に関心を深めたといい、「環境問題は一部の人だけが取り組むのが実情。菅原さんの影響力で多くの人を巻き込み、それぞれ自分に何ができるか考えるきっかけにしたかった」と話す。
 姉妹は九十九里浜に面した千葉県山武市出身で「海に育てられた」と語るほど海を愛する。菅原さんは世界各地を巡ってワークショップを行う傍ら、CMやアーティストのプロモーションビデオなどに多数出演。昨年末のNHK紅白歌合戦で米津玄師さんと共演し注目を集め、大河ドラマ「いだてん」では、陸上選手の人見絹枝を好演するなど、活躍の場を広げている。
 6日のワークショップには500人以上が参加。青い海をバックに、タテジマさんの歌に合わせて菅原さんが即興のダンスを踊ると、周囲で見ていた子どもたちも自由に体を動かして楽しんだ。上大津青年団による五島伝統の念仏踊りチャンココとの共演もあり、花がさや腰みのを着けた菅原さんは、厳かな鉦(かね)と太鼓の音に乗って舞を披露。米津さんが作詞・作曲した「パプリカ」を歌いながら踊った後、砂浜に流れ着いた漁具や空き容器などのごみを1時間ほどかけて拾い集めた。7日は市立福江中でもワークショップを開いた。
 菅原さんは「五島の海は自然の全てが詰まっているようで踊って気持ちがよかった。集まってくれた人たちにも、普段暮らしている場所を大切にする気持ちを持ってもらえれば」と話した。

タテジマヨーコさん(右)の歌に合わせ、即興でダンスを披露する菅原さん(手前)=五島市、高浜海水浴場
ダンスワークショップ後、空き缶や発泡スチロールなどのごみを拾う参加者=五島市、高浜海水浴場

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