庭先回り 観光客ら華やかな舞堪能 きょう「お上り」

庭先回りをする今博多町の踊子=長崎市新地町

 長崎の秋を彩る「長崎くんち」中日(なかび)の8日、五つの踊町は八坂神社(長崎市鍛冶屋町)や中央公園(賑町)で奉納踊りをした後、「庭先回り」に繰り出した。市民や観光客らは長崎の“和華蘭”の歴史や文化を感じさせる華やかな演(だ)し物を堪能した。
 本踊(ほんおどり)を奉納する今博多町は、市中心部の長崎商工会館や病院前などで「ぶらぶら節」などの所望踊りを披露。アンコールを意味する「ショモーヤレ」の声が街角に何度も響いた。
 福岡県太宰府市の会社員、渡辺省和さん(62)は「福岡のどんたくと山笠が合わさったような感じ。両方のよさがある」と感想。踊子(おどりこ)の岩永優美さん(30)は「できる限り笑顔で踊り、見てくれた人に感謝の気持ちを伝えたい」と話した。
 勇壮な「コンミ・シャーレ」の掛け声と、にぎやかな楽器の音色を響かせながらまちを回ったのは江戸町の「オランダ船(せん)」。市民会館(魚の町)近くで見物したオーストラリアのダグ・トレッドニックさん(62)は「ファンタスティックだ。子どもたちがかわいい」。妻のケイトさん(50)は「(根曳(ねびき)の)青と緑の衣装がかっこいい」と満足げな表情を見せた。
 9日の後日(あとび)は、各踊町がお旅所(元船町)と諏訪神社(上西山町)で演し物を奉納する。午後1時からは、お旅所から諏訪神社に3基のみこしが帰る「お上り」がある。

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