16人に当選証書 愛川町議選、低投票率に異例の言及も

トップ当選し、当選証書を受け取る公明党現職の佐藤氏=愛川町役場

 6日に投開票された愛川町議選は、投票率が前回から約6ポイント減り、過去最低を更新した。8日に町役場で行われた当選証書付与式では、町選挙管理委員会の委員長があいさつの中で低投票率について異例の言及。当選した16人も、それぞれ神妙な面持ちで聞き入った。

 町議選の投票率は前回より5.98ポイント減の43.54%で、3回連続で50%を割り込んだ。

 付与式は町役場の会議室で開かれ、町選管の村中修委員長が一人一人に当選証書を手渡した。村中委員長は投票率について「(選管の)われわれに課せられた課題。1票でも多く(投票して)いただけるよう、これからも努力したい」と述べた。

 「町民の皆さんに関心を持ってもらえる魅力ある政治、政策を考えないといけない」。そう気を引き締めたのは、トップで3選を決めた公明党現職の佐藤りえ氏(61)。選挙期間中、高齢者が住み慣れた地域で暮らし続けられる「地域包括ケアシステム」の構築などを訴え、支持を広げた。佐藤氏は「議員活動にしっかり取り組むことで応えていきたい」と襟を正した。

 歴代最多の10期目の当選を果たした共産党現職の井上博明氏(69)は「各候補者が争点や地域の課題を明確にした訴えが乏しく、有権者にとって判断材料が少なかったのでは」と低投票率の要因を分析。半原水源地跡地(同町半原)の利活用の推進を主張したが、論戦は盛り上がりに欠けたといい、「跡地の今後について、多くの候補者から声が上がることで町民の関心をもっと高められたはず」と残念がった。

 新人で唯一、当選した無所属の茅孝之氏(45)は「多くの有権者に関心を持ってもらうことで、議会に新しい風を起こし、現役世代、子育て世代が発言できる状況を作ることができる」と指摘。「(当選は)いろんな停滞を打破してほしいという期待をいただけた結果と受け止める。これまでの活動や経営者としての視点を生かし、全力で取り組みたい」と前を向いた。

© 株式会社神奈川新聞社