ノーベル賞候補の遠藤章氏、東北大で特別講義「自分を信じて」

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特別講義で研究生活を振り返る遠藤氏(左)

 ノーベル賞候補とされる東京農工大特別栄誉教授の遠藤章氏(85)=東北大特任教授、由利本荘市出身=の特別講義が8日、仙台市青葉区の東北大青葉山キャンパスであった。世界的な偉業となった血中のコレステロール値を下げる物質「スタチン」の発見に至る歩みを語り、「自分が正しいと信じることが大事」と学生らを激励した。

 農学部生物化学コースの3年生約30人が受講。遠藤氏は学生時代を振り返り、「ごく普通の学生。よく酒を飲んだ」と語り、笑いを誘った。

 製薬会社の研究員時代に青カビから見つけたスタチンの研究が、意見の相違から中断を余儀なくされたエピソードを紹介。「自分が正しいと信じた。少年時代に育んだカビへの興味が支えになった」と話した。

 由利本荘市出身の農学部3年堀井菜摘さん(21)は「高校時代に遠藤先生の業績を知り、尊敬していた。子どもの頃からの関心を世界的な発見につなげる力がすごいと感じた」と話した。

 スタチンの発見は心疾患や脳梗塞の発症を抑える高脂血症治療薬の開発につながり、世界で4000万人以上が服用している。遠藤氏はノーベル賞の登竜門とされるラスカー賞やガードナー国際賞など国際的に権威のある医学賞を次々に受賞。2012年に日本人で初めて全米発明家殿堂入りを果たした。