長崎くんち 「ヨイヤー」と掛け声  15年間、大阪から足を運ぶ酒井さん「元気の源」

庭先回りをする玉園町の獅子と対面する酒井さん(左)=長崎市魚の町

 大阪府池田市の小学校臨時職員、酒井祐子さん(59)は大の「くんちファン」。長崎くんちに魅了され、15年間、毎年のように見物に訪れている。今年も演し物を満喫し「くんちは元気の源」と笑顔を見せた。
 中学校の教諭だった2004年、修学旅行の引率で長崎を訪れた。生徒たちは龍踊(じゃおどり)を体験。JR長崎駅のかもめ広場で披露すると、周囲から「モッテコーイ」の声が飛んだ。喜ぶ生徒たちの表情が印象的だった。
 翌年、体験学習の関係者から誘われ、諏訪神社(長崎市上西山町)の長坂で初めて奉納踊りを見た。めりはりのある動きと演技に懸ける出演者の気迫に圧倒され、踊町の出演が7年に1度ということも知った。「各町の演し物を全部見たい」との思いが込み上げてきた。
 以来ほぼ毎年、くんちに足を運ぶようになった。「『ヨイヤー』など掛け声で参加させてもらっている気持ち」と話す。記念品として桟敷券や写真、新聞などを大切に保管。今では市中心部の地名を覚え、場所や方角にも通じている。
 今年は7日朝に友人2人と長崎入り。踊町は最初に長坂で見物した年と同じで、夕方からの「くんちの夕べ」で演し物を満喫した。8日は「庭先回り」で玉園町の「獅子踊」を見物。ユニークで愛嬌(あいきょう)のある獅子の動きに「一緒に頭を振りたい」とほがらかに笑った。もちろん来年以降も長崎を訪れ、くんちを楽しむつもりだ。

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