長崎県とベトナム・クァンナム省 人材交流で覚書 外国自治体は初

覚書を締結した貞方政策監(右)とクァンナム省のチエウ局長=県庁

 外国人材の受け入れに向け、県は8日、友好交流関係にあるベトナム中部のクァンナム省と人材交流に関する覚書を締結した。県が外国の自治体と人材交流の覚書を結ぶのは初めて。県は介護、製造、農業などの分野で、早ければ来年にも同省から技能実習生を招きたいとしている。
 2017年6月、県と同省が締結した友好交流関係の同意書に基づいた。覚書は、同省が送り出し機関と調整して技能実習生の派遣前の選考や訓練などを行い、県は受け入れ団体・企業の指導や監督に取り組むことなどを定めた。今後、具体的な派遣時期、業種、人数などを詰める。
 同省幹部や送り出し機関の関係者が県庁を訪れ、貞方学産業労働部政策監とフイン・タン・チエウ同省労働・傷病兵・社会問題局長が覚書に署名。貞方政策監は「安全安心な受け入れ態勢をつくっていきたい」、チエウ局長は「いい人材を派遣したい」と述べた。
 県などによると、同省は人口約147万人。約400年前、長崎を出港した朱印船が同省を訪れ、日本町が形成されるなど歴史的な交流がある。チエウ局長は労働人口約90万人の約20%を海外に派遣できる可能性があると説明した。
 県は、同省から受け入れる技能実習生について、3年間の実習期間を経た後、一部は4月に導入された新しい在留資格「特定技能」に移行し、できるだけ長く働けるように支援策を検討する。

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