「相棒season18」がスタート! 水谷豊×反町隆史、5年目にして“裸の相棒”に!!

「相棒season18」がスタート! 水谷豊×反町隆史、5年目にして“裸の相棒”に!!

捜査権を持たない警視庁特命係の杉下右京と冠城亘のコンビが、さまざまな難事件を解決に導いていく大人気ドラマシリーズ「相棒」(テレビ朝日系)。シーズン18となる今期、“右京さん”演じる水谷豊さんにとっては20年目に、“冠城くん”に扮(ふん)する反町隆史さんにとっては5年目に突入します。同じ役でのコンビを長い間続けている水谷さん&反町さんに、お二人の関係性の変化や新シーズンの見どころについて伺いました!

──水谷さんにとっては20年目、反町さんにとっては5年目のシーズンになりますが、何か特別な感覚などを持ったりしていますか?

水谷

「入る前は『20年もたったんだ』と思うと感慨深いと思っていたんですけど、撮影が始まってしまうと感慨に浸る暇もなくて(笑)。いつも(のシーズン)のように、日々現場で犯人を追いかけて過ごしています。やり始めると、もうそれどころではないですね。次から次にいろんなことが起こるので」

反町

「5年目になりますけど、長くシリーズを続けるというのが初めてのことで。長い間同じ役に向き合うってこと自体がないもんですから、すごく特別な感じがしますよね。ただ、年月を重ねていくうちに何か呼吸みたいなものも生まれてきて、1年目や2年目の時にはできなかったことが今では自然とできることもあったりして。それは芝居というものを越えた空気感というもので、それが水谷さん演じる杉下右京さんと一体化することによって“相棒”というところにつながっていくという。最近はそれを感じているので、その辺を大事にしていきたいなと思います。これからも続けるにあたって、また違ったことが生まれてくることがあると思うんです。やり続けていける楽しさみたいなところと、『次はどんなものが出てくるのかな?』っていう期待感がありますね」

──お二人の関係性などで、最初のころと今で違うところはどんなところですか?

水谷

「最初のころですか…何か覚えていますか?」

反町

「最初のころと今で明らかな違いは、『初回スペシャル』の北海道のロケで“裸の相棒”になって一緒に大浴場に漬かったことですね(笑)。最初は、当然そうではなかったっていうところがあります」

水谷

「確かにね。1年目の時に誘われても行かなかったかな(笑)」

反町

「そういうプライベートというか、撮影以外のところで一緒に楽しくやらせていただいています」

──そこに5年の重みがありますか?

水谷

「そうですね、“裸の相棒”も重みですよね(笑)。意識して何かを変えようっていうのは、お互いにやっていないと思うんですね。自然に変わってくることが一番いいし、できればそれで良い方向に変わっていけたらいいなという思いだけを持ちながらやってきたつもりなんです。2人の関係性が良い感じになってきてるというのは実感しますね。今回もそうなんですけど、自然と『こんなこと思っているだろう』というのをお互いに分かってくると思うんです。だから、あえて言葉を使って芝居のことを話すというのはあまりないですね」

──2人でコンビを組み始めたシーズン14以降、特に思い出のあるストーリーを教えてください。

水谷

「もう80本以上はやってきているでしょ? その中から1本選ぶっていうのはなかなか難しいですね(笑)」

反町

「僕はやっぱりシーズン14の初回スペシャルは、特別感があって印象的でした。あとは、細かくこの回がということでもないんですけど、5年もやってくるといろんなことがあるんですね。その一つ一つ、その回ごとに相棒としての正解を見つけていきながらやっています」

水谷

「『相棒』は初回と元日と最終回にスペシャルが組まれるんですけど、もちろんその間のレギュラー回もどれも大事です。スペシャルはスケールが大きくなることが多いので、その分向かう覚悟みたいなものがいつもより必要ですよね」

──長い間演じていても役に対しての発見はあるんでしょうか?

水谷

「さっきソリ(反町さん)が言っていたように、回を重ねていくうちにいろんなことができるようになっていくというのが、全くその通りで。僕も不思議なドラマだと思っているんです。『そろそろ(役に)飽きてるんじゃない?』って思われているかもしれないですけど(笑)、その感じがないんですよ。まだ『次に何かあるんじゃないか』って思わされるし、それに自分が向かって行くことで、それを乗り越えた気持ちになる。そうやっているうちに次なるものが出てくるっていうことの連続なんですよね。だから同じようなことをやっているようで、日々、全く違う感覚ですかね。これは多分プロデューサーや脚本家たちが作る世界観の面白さや現場での監督のアイデアが面白いということでもありますし」

反町

「僕はテレビドラマというと1クールの周期で育った人間なので、3カ月間じゃないですか。でも、水谷さんはどちらかというと、“昭和のスター”なんでね(笑)」

水谷

「ソリは昭和のスターだなんて言うんですよ…。平成も令和でもやっているのに(笑)。『やっぱり昭和のスターは半年間ドラマやることに慣れていますよね?』って言うんです」

反町

「そうなんですよ、水谷さんは慣れているんですよ。だから、まず集中力が違いますよね、昭和のスターの方は(笑)」

水谷

「そして揚げ句の果ては、『昭和の人は良く食べますね』って言ってきますからね(笑)」

反町

「僕は1クールでやることに慣れていて、2クール継続してやるっていうことが慣れていないところでもあるんです。『相棒』は7カ月の撮影期間で、ほかのドラマよりも長いですから、その中でコントロールしていくというのが見てて勉強になりますね」

──毎年続けている中で、「相棒」の現場に戻ってきたと思う瞬間についてお聞かせください。

反町

「7月の終わりか8月頭に現場に入るんですけど、その時にスタッフのみんなとおはらいとかに行くんです。そこで『いよいよ始まるんだな』っていう気持ちになりますね」

水谷

「始まる時は『一度乗ったら、このまま終わるまでは船からは降りられないぞ』っていう気持ちにはなりますよね(笑)。そういった、ちょっとした覚悟を毎年しています」

──「相棒」のほかにも刑事ドラマはたくさんありますが、「相棒」の「ここが違うぞ」という魅力を教えてください。

水谷

「いろんな話を工夫して作っていますが、その中で『相棒ワールド』というのがあって。最初に始まった時に『こんなに面白い脚本が今までの刑事ドラマであっただろうか』って思うような輿水(泰弘)さんの台本が届いて、それ以来、輿水さんがメインで書いてくれているんです。そして絵ですね。その絵というのが相棒ワールドを作っているのかなと。毎年何か世界観を変えながら作っているんですね」

反町

「難しく感じるところがあっても、スタッフが長年撮り続けている積み重ねによって『相棒』という世界がしっかりベースとしてあるので、撮影の仕方とかで『助かった』って思うことが多いんですよ。リズムや流れでいけたりとか、それは感じますね。ベースがちゃんとあるから、それ以上のことができるなって」

──今シーズンの撮影で感じる手応えや、これまでとはこんなところが違うなという部分などはありますか?

水谷

「シーズン18に入って、なんかいい感じがするんですよ。話のバランスもとてもいいですし、毎回違う世界があって。われわれもその世界を一緒に経験しているような気持ちになって、いい経験をしているという感じはしますね。“18”いいと思いますよ」

反町

「まず、第1話が結構衝撃的ですよね。映画並みのスケール感というか。右京さんが浜に横たわっているシーンとかね。それは予告でやっていますけど」

水谷

「それは予告でやってるんだ? 今、ソリなんてことを言っているんだって思いました(笑)」

反町

「予告でやっているから大丈夫ですよ(笑)。それで、そこからシーズン18に入るじゃないですか。それを見ているだけでもすごく期待感があるというか。そこから入って、個人的に楽しみなのはすでに先の台本をいただいているんですけど、冠城の元彼女、恋の話もちょっとあったりとかするんです。初回とは別の方向で、ふり幅が広いシーズン18になると思います」

──最後に、ふり幅が広い今シーズンについて視聴者に見どころや期待してほしいことをお聞かせください。

水谷

「『相棒』はそもそもがいろんな世界を扱ってきてるわけですけど、今回はこれまで以上に新しい世界に向かって行っている気がしますね。これだけ長い年月やってきたのに面白いですよね。世の中もそうですし、人もそうですけど、すべてやり尽くせないんですね。次から次に今まであったことない犯罪、会ったことない人、会ったことのない性格に出会う感じがありますので、それを楽しんでいただければと思います」

反町

「僕もシーズン14から登場して今年で5年目ですけど、毎回新しい発見があって。水谷さんもおっしゃっていましたけど、出し切ったということがないんですよね。『それは何なのかな』と思う時はあるんですけど、作品としてマンネリ化せずに常に進化してやり続けるというところがすごいなと思うので、そのあたりに期待して見てください!」

──ありがとうございました!

初回放送のテレビ朝日開局60周年記念スペシャルでは、北海道で10日間を超える大規模ロケを敢行。消息不明の右京を探すべく最果ての島に向かった亘。そして、そこで起こっていた不気味な事件の容疑者である元レンジャー隊員・岩田純との対峙(たいじ)。その岩田を演じるのは、水谷さんの弟分と自負する船越英一郎さんです。「相棒ワールド」とダイナミックな景観や最新技術の融合で壮大なスケールの初回スペシャルから突き進む「いい感じ」の新シーズンもお見逃しなく!

【プロフィール】


水谷豊(みずたに ゆたか)
1952年7月14日生まれ。北海道出身。俳優として数々のドラマや映画に出演。2019年公開の映画「轢き逃げ-最高の最悪な日-」など、近年は映画監督も手掛ける。また、同作のDVDが発売中。「相棒」では2000年6月30日に「土曜ワイド劇場」で放送された初回から主演を務める。

反町隆史(そりまち たかし)
1973年12月19日生まれ。埼玉県出身。「ビーチボーイズ」「GTO」(ともにフジテレビ系)など大ヒットドラマで主演を務める。2019年は「リーガル・ハート~いのちの再建弁護士~」(テレビ東京系)で主演。「相棒」には2015年10月14日放送のseason14初回スペシャル「フランケンシュタインの告白」からレギュラー出演。

【番組情報】


「相棒season18 テレビ朝日開局60周年記念スペシャル『アレスの進撃』」
テレビ朝日系
10月9日 午後9:00~10:24

「テレビ朝日開局60周年記念 相棒season18」
テレビ朝日系
水曜 午後9:00~9:54

取材・文/テレビ朝日担当 I・S
撮影/中越春樹

© 株式会社東京ニュース通信社