坂道を一気に「お上り」沸く 長崎くんち閉幕

多くの見物客が見守る中、勢いよく坂を駆け上がる3基のみこし=長崎市、旧県庁坂

 諏訪神社(長崎市上西山町)の秋の大祭、長崎くんちは9日、諏訪、住吉、森崎の3基のみこしが大波止の「お旅所」から同神社に帰る「お上り」があり、3日間の幕を閉じた。
 同神社では朝から5カ町の踊町が演(だ)し物を披露する奉納踊りがあり、大勢の見物客でにぎわった。島原市の坂本晴美さん(70)は「会場の一体感がすごかった。めりはりのある演技に涙が出た」と感動していた。
 お上りは今年の神輿守町(みこしもりちょう)「西山神輿守連合会」がみこしを担ぎ、お旅所を出発。道中の旧県庁坂を一気に駆け上ると、沿道は大いに沸いた。佐世保市の堀田美慧(みさと)さん(30)は「速すぎて一瞬だった」と興奮。担ぎ手の畑中洋樹さん(47)は「今年で3回目だが、年を取ってきて体はきつい。でも何回やっても気持ちいい」と充実した表情を見せた。
 各踊町は前日に続き「庭先回り」に繰り出し、町中で演し物を披露した。上長崎地区ふれあいセンター(片淵1丁目)で魚の町の「川船」を見た市立上長崎小3年の小西夢楓(ゆめか)さん(8)は「根曳(ねびき)の人たちがかっこよかった。船が大きくてすごかった」と笑顔。根曳の木下勇さん(36)は「力を出し切れた。見ている方々の『モッテコーイ』は本当に励みになった」と感謝した。

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