吉野彰氏「ああ きたかなと」 ノーベル化学賞

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ノーベル化学賞に、旭化成の名誉フェロー・吉野彰さん(71)が決まった。

「2019年のノーベル化学賞をリチウムイオン電池の開発を行ったジョン・グッドイナフ氏、スタンレー・ウィッティンガム氏、ヨシノ・アキラ氏に与えることを決定した」

ノーベル化学賞に輝いたのは、旭化成で名誉フェローを務める吉野彰さん。

会見では、受賞の瞬間について、こんな裏話も。

旭化成 名誉フェロー・吉野彰さん
「ストックホルムの方が、わたしの携帯(番号)も知らないでしょうし、当日どこにいるかもご存じないはずですが、調べられたんでしょうね。ちゃんと、わたしの部屋の固定電話の方なんですけど、かかってまいりました。『コングラチュレーション』ときましたので、『ああ きたかな』と思いました」
「従って、『(受賞は)順番が来たら絶対とりますよ』と申していましたが、まさかまさかです」

京都大学工学部出身の吉野さん。

携帯電話やスマホ、ノートパソコンなどに使われるリチウムイオン2次電池の発明者の1人で、航空機やハイブリッド車にも使われており、発明は、まさしくわたしたちの生活に変革をもたらした。

自らが手がけたリチウムイオン電池については、長らく売れない時期が続いたという。

吉野彰さん
「正直言いまして、3年くらいありました。真綿で首を絞められるような苦しみじゃないでしょうか、売れない時期が。それが売れ出したのが1995年、Windows95の年です」
「わたし自身が幸せだと思っているのは、リチウムイオン電池はIT革命という、とんでもない大きな変革とともに生まれ育ってきたので」
「(いいもの作ったと思った?)リチウムイオン電池が出て広く使われ出したのは、今で言うガラケー」
「(受賞を報告した人は?)先ほど電話で、家族といいますか、家内の方に電話しました。『決まったぞ』ということだけ伝えました。腰を抜かすほど、驚いていました」

その受賞の報告を受けた妻・久美子さんは、「うそでしょと。やっとこの日が来たかと、正直思いました」と語った。

これまで吉野さんは、2014年には、「工学分野のノーベル賞」といわれる「チャールズ・スターク・ドレイパー賞」を受賞。

2019年6月には、「欧州発明家賞」を受賞した。

「自分は息子のような位置付け」と吉野さんが言う、共同受賞者のアメリカ・テキサス大学のグッドイナフ教授は、「(吉野先生が、あなたの息子のような位置付けと言っていた)彼には感謝しています」、「僕も、日本には何度も行っているんだ。素晴らしい国だね」などと語った。

日本の産業の今後について、製品開発とそれを利用したビジネスを川上と川下に例え、吉野さんは、「日本の産業で意外と健闘しているのは、川上部分なんですね」、「理想的なのは、川上と川下両方押さえることなんですよ。(日本は)川下は、からっきしダメ」、「日本は、川上がしっかりしているうちに、GAFAに相当するような企業、あるいはベンチャーが1つか2つくらい日本で生まれたら、強くなると思う」などと述べた。