IMSA:“ラストラン”のニッサンDPiがカラーリング変更。引退するオーナー思い出のリバリーに

 コア・オートスポーツは10月10~12日、アメリカ・ジョージア州のロード・アトランタで開催されるIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権第12戦プチ・ル・マンに向けて、今戦が最終レースとなる『ニッサンDPi』の新カラーリングを披露した。

 IMSAの最高峰クラスを戦うトップチームのひとつだったエクストリーム・スピード・モータースポーツ(ESM)の活動終了と入れ替わる形で、2019年からDPiクラスにステップアップしESMが使用していたニッサンDPiを走らせてきたコア・オートスポーツ。

 チームはこれまで、ニッサンの伝統的なリバリーであるブルー、ホワイト、レッドのトリコロールカラーを自チームのDPiマシンに施してきたが、オーナー兼ドライバーであるジョナサン・ベネットの引退レースとなる今回、彼のキャリアに敬意を示す特別カラーリングを用意した。

 水曜日にIMSAスポーツカーシリーズ最終戦のパドックでお披露目されたマシンは、オレンジとシルバーのツートンカラーとなり、前戦までのイメージとは一新されている。これは2009年にベネットが初めてIMSAシリーズに参戦した際に使用した、当時のIMSAプロトタイプ・ライツカーのマシンカラーリングをイメージしたものだ。

 また、チームはマシンカラーだけでなく、彼のレースキャリアのなかで特に印象的な瞬間の写真をあしらった特別仕様のヘルメットをチームオーナーにプレゼントしている。

 カーナンバーと同じ54歳となり、今年8月に引退を発表したベネットは2009年以来、IMSAシリーズで通算16勝を挙げている。2014~15年には長年チームメイトであるコリン・ブラウンとともにプロトタイプ・チャレンジ(PC)クラスのシリーズチャンピオンを獲得。最高峰クラスに挑戦した2017年にはオレカのLMP2カーでシーズン2勝をマークし、最終戦までシリーズタイトルを争う活躍をみせた。

 そんなベネットの現役最終レースは、チームにとってもプロトタイプカーを走らせるDPiプログラムのラストイベントとなる。そして、それは今戦がニッサンDPiのラストレースになることを意味している。

「プチ・ル・マンでレーシンググローブを脱ぐことで、素晴らしいモータースポーツの旅が成功裏に終わることになるだろう」とベネットは自身最後のレースを前に語った。

「私は28シーズン連続で、ホイール・トゥ・ホイールのスポーツカーレースに出場し続けてきた」

「最初から、レースは私のビーコンであり、人生の決定のほとんどを形作ってきた。私の夢がゴールすることを可能にしてくれたのは、私を取り巻くチームだ。そのなかでも特に、コリン・ブラウンには感謝している」

2018年IMSA第9戦ロード・アトランタで、前戦モスポートに続く2連勝を達成したコア・オートスポーツのジョナサン・ベネット(左)とコリン・ブラウン(右)

「コックピット内ではつねにスマートに、そしてスポーツマンシップに則ったドライビングをすることでキャリアを通じて報われてきた。(最後のレースでも)その伝統を続けることを楽しみにしているよ」

「DPiプログラムを終了するという決定のなかで、もっとも困難な部分だったのがチームメイトの今後の活動場所を確保することだった。だが、私はチームメイトが2020年に新しいチャンスにうまく移行できることを知っており、2019年シーズン(とDPiプログラム)の終了に向けては完璧な準備ができたと考えているんだ」

 なお、コア・オートスポーツはポルシェのワークス活動であるGTル・マンクラスでのチーム運営については、来季以降もプログラムを継続する。ポルシェGTチームの名で活動する同プログラムではシリーズランキング1位、2位で最終戦プチ・ル・マンに臨む。

ニッサンDPi(右)と、コア・オートスポーツが運営するポルシェGTチームのポルシェ911 RSR

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