妹を殺された過去を持つ著者が「犯罪者の"親"」になるまで 。「お前の親になったる 被害者と加害者のドキュメント」発売。

草刈健太郎の著作「お前の親になったる 被害者と加害者のドキュメント」が2019年10月10日(木)に小学館集英社プロダクションより発売されることが決定。 本書は、 妹を殺害されたという過去がありながら、 現在は出所した元受刑者を雇い就労支援を行う「職親プロジェクト」に携わり、 「犯罪者の“親”」として活動している草刈氏のノンフィクションルポルタージュだ。

2005年、 当時アメリカに留学していた草刈氏の妹が同居していた米国人男性に殺害された。 苦しい日々を送る中、 あることがきっかけで「受刑者の就労支援」プロジェクトに携わることに。 被害者家族として葛藤しながらも、 「加害者を減らすことが被害者を減らすことになる」と気づき、 またそれが妹から課せられた使命だと感じるように。 再犯率45%という現実を真摯に受け止め、 元受刑者と向き合い続ける姿を本書に収めた。

今回この本を書くことを決断したのは、 妹を殺めたチェイスが仮釈放されるということを目の前にしたことからです。 2019年11月にチェイスの仮釈放委員会が行われ、 私自身ロサンゼルスへ向かおうと思っています。 最愛の妹の命を奪われ、 残された家族に癒えることのない痛みを与えたことに関しては、 怒りと憎しみがあります。 しかし、 怒りと憎しみと悲しみだけで生きていくことは、 とてつもなく辛いことです。 被害者遺族でありながら、 更生保護・再犯防止に関わった不思議な「担い」に従うことで、 私の心に変化があり、 そして先日「健太郎、 もう福子がいなくなってから15年が経つ。 あんたにはここでけじめをつけて、 一歩前に進んでほしいわ」と母親から言われました。 チェイスが罪を罪と自覚し、 心から悔恨の謝罪をしてくるのであれば、 ここを一つの区切りにしたい、 私なりのけじめをつけたいと思います。 読んでいただいた皆様が一歩踏み出し、 そこに何か気になるものがあればそっと手を差し伸べられる、 そのお手伝いができれば幸いです。

※あとがきから一部抜粋

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