8強へ大一番 日本の快進撃と4年前の〝苦い記憶〟 いよいよスコットランド戦 ラグビーW杯【写真特集】

ラグビーW杯1次リーグのアイルランド戦で逆転勝ちし、大喜びの(手前右から)ムーア、田中、ラファエレら日本フィフティーン=9月28日午後、静岡県袋井市の静岡スタジアム

 ついに雪辱を果たす時が来た――。ラグビーワールドカップ(W杯)日本大会の1次リーグを破竹の勢いで3連勝した日本代表。初の8強進出が懸かる13日夜の大一番は、台風の影響で開催が危ぶまれていたものの予定通り実施することが決定した。

 対戦するスコットランドは4年前のW杯イングランド大会で10―45と唯一黒星を喫し、1次リーグ突破を阻まれた因縁の相手。これまでの対戦成績で1勝10敗と大きく負け越す強豪に、日本はどう立ち向かうのか。ロシア戦から始まった快進撃を写真で振り返るとともに、4年前の大敗の記憶を今一度呼び起こし負けられない一戦への教訓としたい。

ロシア(左)戦に臨む日本フィフティーン

○30―10 ロシア戦(9月20日、味の素スタジアム)

 ワールドカップ(W杯)日本大会の開幕戦となったロシア戦。緊張感のあった序盤はミスを連発し押し込まれる場面もあったが、松島の2トライなどでリードして折り返す。後半は、ラブスカフニや松島がトライを決めて勝利を決定づけた。松島の1試合3トライはW杯の日本選手初。後半途中出場した38歳のトンプソンは、日本代表初の4大会連続出場を果たした。

前半、突進する堀江=味の素スタジアム
後半、自身3本目のトライを決める松島=味の素スタジアム
後半、突進するトンプソン=味の素スタジアム

○19―12 アイルランド戦(9月28日、静岡スタジアム)

 試合開始時点で世界ランキング2位のアイルランドとの対戦は、前半に2トライを奪われるも田村の3PGによって僅差で前半を終える。後半は前半途中から出場した主将のリーチらFWが激しい防御で奮闘。欧州屈指の突破力を誇る相手を食い止めると、途中出場の福岡が逆転のトライを挙げた。アイルランドとは10度目の対戦で初勝利となった。

前半、1本目のPGを決める田村=静岡スタジアム
前半、突進するリーチ=静岡スタジアム
後半、決勝トライを決める福岡=静岡スタジアム
後半、2人がかりでタックルするバル(左)と中島=静岡スタジアム

○38―19 サモア戦(10月5日、豊田スタジアム)

 前回のW杯では勝利したサモアとの一戦。前半はラファエレのトライや田村の3PGでリードするも、日本の反則の多さから中盤まで競り合う展開に。後半は攻めの姿勢を貫き、途中出場の福岡のトライなどで加点。終了間際には松島がチーム4トライ目を挙げ、ボーナス点1を加えた。3戦合計の勝ち点を14とし、初の8強進出に近づいた。

前半、トライを決めるラファエレ=豊田スタジアム
前半、攻め込むレメキ。この試合の最優秀選手に選ばれた=豊田スタジアム
後半、密集からトライを決めた姫野(右下)=豊田スタジアム
後半、雄たけびを上げる中島=豊田スタジアム

●10―45 スコットランド戦(2015年9月23日、英グロスター) 

 南アフリカから歴史的勝利を挙げた日本。中3日で迎えたスコットランドとの対戦は前半、マフィのトライなどで7―12の僅差で折り返す。疲れが見え始めた後半はミスが相次ぎ5トライを奪われ完敗した。スコットランドは前半、上空を舞う風を計算した高いキックでの空中戦を仕掛け、後半はパスラグビーで圧倒した。

 主将のレイドローは正確なキックを武器にこの試合20得点。日本大会を「最後のW杯」と宣言しているSHは13日の対戦でも脅威となる。

前半終了間際、タックルでトライを防ぐ五郎丸=グロスター(ゲッティ=共同)
後半、独走するシーモアに振り切られ、トライを許す福岡=グロスター(共同)
後半、ベネット(左)にトライを許すリーチ=グロスター(共同)
スコットランド戦でレイドロー(右)らから厳しいマークを受けるマフィ=グロスター(共同)

 日本はスコットランドとの最終戦で、勝つか引き分けで1次リーグA組の首位突破が決まる。敗れてもトライ数や点差によって決勝トーナメント進出の可能性がある。(構成、共同通信=松森好巨)

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