「左心耳」閉鎖手術が可能に 血栓による脳梗塞防ぐ 熊本大と済生会熊本

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 熊本大病院(熊本市中央区)と済生会熊本病院(南区)で、心房細動がある患者らを対象に、血栓(血の塊)ができやすい心臓の一部「左心耳[さしんじ]」を閉じるカテーテル手術が実施できるようになった。対象手術が9月に保険適用されたためで、血栓による脳梗塞などの発症を未然に防ぐ。

 熊本大病院によると、左心耳は心臓の四つの部屋の一つ、左心房にあり親指くらいの大きさ。中に5ミリリットルほど血液がたまるため、心房細動の患者では左心耳内で血がよどみ、血栓ができやすい。血栓が血流で脳に運ばれて詰まると、脳梗塞につながる。

 両施設でのカテーテル手術は「経皮的左心耳閉鎖術」と呼ばれ、左心耳の入り口をパラシュート型の膜でふさぐ。開胸手術が不要で、膜は脚の血管から入れたカテーテルで心臓まで運ぶ。閉じた状態で体内に入れて左心耳でふくらませる。

 対象となるのは脳梗塞を予防するため、血液をさらさらにする抗凝固薬を服用している人。済生会は9月17日に実施済みで熊本大は10月下旬に実施予定。

 術後の経過次第で、抗凝固薬の服用を中止できる。ドイツで最新のカテーテル治療を学んだ熊本大病院の田畑範明特任助教は「抗凝固薬による出血リスクがある症例では、有効な代替治療となりうる」と話している。(林田賢一郎)

(2019年10月10日付 熊本日日新聞朝刊掲載)