【タイ】19年の成長見通し、世銀が2.7%に下方修正[経済]

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タイ経済の見通しについて語る世銀の東アジア・太平洋地域担当リードエコノミスト、メイソン氏=10日、タイ・バンコク(NNA撮影)

世界銀行は10日に発表した東アジア・太平洋地域の経済見通しで、タイの2019年の国内総生産(GDP)成長率を前回の予測(4月発表)の3.8%から2.7%に下方修正した。修正幅は、東南アジア諸国連合(ASEAN、シンガポールとブルネイを除く)で最大。一方で、20年から21年にかけては、回復に向かうとみている。

世銀の東アジア・太平洋地域担当リードエコノミスト、アンドリュー・メイソン氏は、タイ経済の減速が見込まれる原因として、米中貿易摩擦が続いていることや、中国経済の減速に伴いタイを訪れる中国人旅行者が減少していることに加え、干ばつによる影響や政策の不透明さを挙げた。タイ政府は競争力の向上と投資拡大を目指した構造改革を進める必要があるほか、ASEAN諸国と協力して米中貿易摩擦による影響を乗り越える必要があるとの考えを示した。

世銀タイ事務所のキアティポン・シニアエコノミストは、タイ経済の減速を止めるためには、財政政策と金融政策の見直しが不可欠と指摘。政府は、農業分野の研究開発(R&D)と農家の所得向上を目的とした公共投資を拡大するべきとの見解を示した。

キアティポン氏は「タイは公的債務がそこまで大きくなく、貿易と国内経済が減速する中、政府は適切な時期に景気刺激策の実施に乗り出した」と評価。ただ、健全な財務状況により、外国人投資家によるタイバーツの購入が増え、バーツ高をより加速させていると指摘した。

タイ国家経済社会開発委員会(NESDC)によると、19年第2四半期(4~6月)のGDP成長率(速報値)は前年同期比2.3%。前四半期(1~3月)の2.8%から0.5ポイント縮小した。内需の鈍化や輸出の減少が影響し、14年第3四半期(1.1%成長)以来の低水準となった。上半期(1~6月)の成長率は2.6%だった。