滋賀出身の林遣都、「スカーレット」出演は「タヌキにお願いしてきたおかげ」

NHK連続テレビ小説「スカーレット」(月~土曜午前8:00)で、ヒロイン・川原喜美子(戸田恵梨香)の幼なじみの大野信作を演じる林遣都。ドラマは、滋賀県の焼き物の名産地・信楽を舞台に、戦後の高度経済成長期に男性ばかりの陶芸の世界で、女流陶芸家の草分けとして歩み始める喜美子の姿を描くストーリー。林は「僕は滋賀県の出身ですが、滋賀が舞台のドラマに出演するのは初めてです。お話をいただいた時、すごくうれしかったです。滋賀が舞台というだけでやりたいと思いました」と出演の喜びを語っている。

信作は信楽の大野雑貨店の一人息子で、同級生の喜美子や熊谷照子(大島優子)とは正反対の気が弱く、引っ込み思案な性格。成長後の喜美子が大阪でお手伝いさんとして働き地元に帰ってくると、信作は思わぬ変化を遂げており驚かされることになる。

林と信楽焼には縁があるようで、「信楽焼は常に身近にありました。祖父の家の玄関には大きめのタヌキの置物があって、実家の玄関にも小さめのタヌキがあります。母は僕が東京に行くたびにそのタヌキに安全祈願をしたり、仕事の幸運を祈ったりしていたらしく、今回の作品に携われるのはタヌキにお願いしてきたおかげだと喜んでいます」とうれしそう。

また、役どころについても「信作には幼少期から喜美子と照子が身近にいますが、その2人しかいなくて、2人とも女性。お姉ちゃん2人の下にいる弟みたいな環境で育ちます。そんな幼少期のせいか、なかなか前に出るタイプではありませんし、学生時代もちょっと人とは違う雰囲気なんです。友達もいないですし、内に秘めるものがある若者なのかなと思っています」と明かし、「僕が演じるのは中学生からで、学生服で初登場しますが、その時も喜美子にカバンと学校で描いた絵を持たされていますし、子分的なところから始まるんです。まだ微妙な気持ちの学生時代、将来も何も定まっていない学生役なので、演じるにあたって難しいところが出てくるのはこれからだと感じています」。

一方で、中学生役には照れもあったようで「戸田さんと大島さんが同い年で、僕が2歳年下なんですが、3人そろえば大丈夫でしょうと自分たちに言い聞かせました。そこで幼なじみの絆を深められた気がします。3人で演出の方に、エキストラさんをリアルな中学生年齢に近づけないでください、できることなら僕たちより若干上げてくださいと冗談半分にお願いしたりしました(笑)」と苦笑いを浮かべつつ、「僕も信作に共感する部分があるので、自分が滋賀で生きてきたことや、家族関係、学生時代どのような過ごし方をして、どんな気持ちを抱いていたかを思い出しながら、役に重ねていけたらなと思っています」と意欲をにじませている。

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