長崎大学病院でインフル集団感染 職員や入院患者ら35人

 長崎大学病院(長崎市)は10日、院内で放射線部の医師や技師ら職員24人と入院患者2人、外来患者9人の計35人がインフルエンザA型に集団感染したと明らかにした。重症者はおらず、全員が快方に向かっているという。
 同病院によると、4日に同部の職員1人が風邪のような症状で早退。7日までに部内のインフルエンザ感染確定者が、この職員を含め16人になった。8日に患者3人の感染も確認。3人は4日に放射線部のCT検査室で検査を受けていたことが分かった。感染源は特定できていないが、CT検査室が拡大の要因になったとみている。
 4日にCT検査を受けた132人のうち、入院患者30人と、感染が確認された入院患者と同室の4人には治療薬「タミフル」を投与中。外来患者102人には感染の有無を確認しており、感染していれば、同病院が医療費を負担する。
 同病院では例年、10月下旬に職員全員が予防接種を受けているが、県は9月20日、県内がインフルエンザの流行期に入ったと発表していた。同病院感染制御教育センターの泉川公一センター長は「啓発はしていたが、意識が足りなかったのかもしれない」と話し、今後は予防接種の時期を早める考えも示した。
 県によると、9月30日~10月6日の県内定点医療機関70施設の1施設当たり患者数は0.93。9月9~15日の2.6から減少しているが、県は引き続き注意を呼び掛けている。

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