「時効警察はじめました」2ショットインタビュー〈後編〉オダギリジョーと麻生久美子が今だから話せる「時効警察」の“時効な話”とは？ オダギリ「今思えばよくあんなことできたな（笑）」麻生「ほとんど立っていられませんでした」

「時効警察はじめました」2ショットインタビュー〈後編〉オダギリジョーと麻生久美子が今だから話せる「時効警察」の“時効な話”とは？ オダギリ「今思えばよくあんなことできたな（笑）」麻生「ほとんど立っていられませんでした」

オダギリジョーが主演を務める伝説のコメディーミステリー「時効警察」（テレビ朝日系）が12年ぶりに復活！ 出向先のアメリカ・FBIから帰国した霧山修一朗（オダギリ）は、そのまま出世街道まっしぐらかと思いきや、なぜか再び総武署の時効管理課へと舞い戻ります。そんな古巣に戻った霧山は、早速時効を迎えた事件を私的に捜査する“趣味”を再開。“助手”の三日月しずか（麻生久美子）とともに、シュールでポップな笑いを展開していきます。

新シリーズ放送に先駆け、9月29日には「時効警察・復活スペシャル」が放送され、世間は“時効警察フィーバー”に！そこでインターネットTVガイドでも、主人公・霧山役のオダギリさん、三日月役の麻生さんにインタビューをさせていただきました！ 後編となる今回は、これからの「時効警察」でチャレンジしていきたいことや、新シリーズの注目ポイント、そして今だから話せる“時効警察の時効な話”など、超盛りだくさんでお届けします！

──これからの「時効警察～」でチャレンジしたいことはありますか？

オダギリ「三日月にチャレンジしてほしいことはたくさんあります。ただ、万が一、僕が台本を書かなきゃいけなくなった時にそれを使いたいので、あんまり話したくないです。例えば、スカイダイビングとかはマストですね」

麻生「スカイダイビングは絶対やりたくない！ その時の顔を見せたくないです（笑）」

──麻生さんはチャレンジしたいことはありますか？

麻生「ないです、別にもうなんでもいいです…（笑）」

オダギリ「麻生さんのこういうところが神役者というか。言われたことはなんでもやれるんですよ」

麻生「なんでもできるのはオダギリさんじゃない！ それは私、さっき（別の取材で）言ったところです。なんでも成立させるすごい役者さんだって」

オダギリ「僕もそれは言いました、同じことを言った。麻生さんはなんでも成立させるって」

麻生「えっ、うそ！ すごい！」

──息ぴったりですね！（笑）。

麻生「私、それ12年前から言ってますけどね」

オダギリ「僕はもっと、13年前から言ってるよ！って、小学生の言い合いじゃないんだからさ。どうでもいんだよね、内容が（笑）」

麻生「（笑）。でも、本当にいつもこんな感じです。現場が大変な時もあるので、こういう会話があることでだいぶ救われています」

──すてきだと思います！ 視聴者目線では、霧山と三日月の今後にも注目が集まるのかなと思いますが、その点はどうでしょう？

オダギリ「（麻生さんに）あんまりその辺は興味ないよね、正直（笑）。見ている方もそんなに興味ないんじゃないですか？ バツイチとアメリカ帰りの恋の行方、僕はあまり気にしてませんが（笑）」

麻生「面白がってくれる人もいるんでしょうね。でも、アメリカ帰りの設定はいいですよね。霧山くん、すてきです。自然に（英語を）しゃべってる」

オダギリ「そんなことないですよ（照）」

麻生「『君の英語はすごくうまい！』って英語で言われてたじゃん（笑）」

──そうなんですね、そこも要注目ですね。ただ、実際三日月のバツイチという設定には驚かされました。

麻生「刑事課のエースと結婚したらしいんですが、よくそんな人をつかまえられましたよね（笑）」

──そんな新たな設定も追加されている今作ですが、装いも新たに“ここに注目してほしい”というポイントはありますか？

オダギリ「今回は、（彩雲真空役の）吉岡（里帆）さんや、（又来康知役の）磯村（勇斗）くんも加わりましたし、フレッシュな方々がどう作品を変えてくれるのか。そこは視聴者の皆さんにも、明らかな変化として楽しんでもらえるのではないかと思います」

──麻生さんは、昨年映画で吉岡さんと共演されていますね。

麻生「吉岡さんはすごくいい子なんですよ。気を使えるし、お芝居も魅力的だし、人柄も好きです。自分の娘がこんなふうに育ってくれたらって思う、とにかく大好きなかわいい女の子ですね。現場では素直に思ったことを口にすることがあって、それがかわいくて和んだりも。好きですね」

──お二人の加入でどんな風が吹いていますか？

オダギリ「僕は吉岡さんと2人で捜査に行ったりすることが多いんですが、吉岡さんとのシーンを撮っていると、本当の刑事ドラマっぽい感じがするんです。その点、麻生さんはやっぱり『時効警察』という感じで（苦笑）」

麻生

「何よ、（苦笑）って！ 吉岡さんとやると違う番組になっちゃうってこと？」

オダギリ

「2人でやると、『あれ、これゴールデンのドラマ？』と一瞬思う雰囲気があるので、それはいい意味で時効に新しい風を吹かせてくれているんじゃないですかね？」

──「時効」の面白さに、刑事ドラマのテイストもしっかりと入ったらまた一段と面白くなりそうですね！

オダギリ「ただ、それを三木（聡）さんが“三木さんの笑い”で包んでいくので、本当に刑事ドラマっぽいかって言われると、いい塩梅だと思います」

──なるほど、バランスが取れていると。

麻生「（オダギリさんに）そういえば、三木さんは一番最初、三日月を彩雲みたいなキャラクターにしたかったんじゃないかな」

オダギリ

「え～っ、それはないんじゃない？」

麻生

「だって、真っ当なことを言うキャラだって最初は言われてたの、三日月も。でも、三木さんに『いつの間にか麻生さんが残念にしましたよね（笑）』って言われて。だから、今回の彩雲みたいな感じをやらせたかったんじゃないかなって、見てて思いました」

オダギリ

「それ以上に、いい意味で麻生さんの残念さが勝っちゃったんだよね。面白く見えちゃったんだよ、三木さんに（笑）。でも、今回彩雲のようなキャラが加わることで、三日月が作れない笑いを新しく作れていったりもするので、確実に広がっていますよね」

──今回新たに“脱・三木さんの三日月像”なシーンはありますか？

麻生「そこまでぶっ飛んでないかもですね。プロレスのシーンは、彩雲がいいハジけっぷりで。新たな三日月も出てくるとは思うんですけど、あそこは彩雲さんがとても魅力的ですよ」

──オダギリさんにとって「時効警察」とはどういう存在ですか？

オダギリ「当時、横地（郁英ゼネラルプロデューサー）さんと何かやりたいね、という話の中で、僕がちょうど三木さんと他の作品をやってて。三木さんがテレビやったら絶対面白いと思って相談したんです。そういった経緯で出来上がったものだったので、自分の中でも思い入れが強いですし、あの時代にない独特の笑いを持った作品にできた、新しいものが作れたという喜びもあって。そういうことができた番組って多くはないので、あれを越えられるものがちゃんと今回できるのかという心配があるほど、大きな存在なのかなと思います」

──そんな思いがあったんですね。ここで、今だから話せる「時効警察」の“時効な話”があればお聞かせください。

オダギリ「『帰ってきた～』の8話で、脚本・監督をやったんですよ。でも、実はそれは最初から決まっていたことではなくて。最後の最後まであと1人監督が決まらず…急に撮ることになったんです（笑）。だから撮影の合間に本を書いて、ロケハンして、準備して。他の撮影も同時に続いていたし、役者と監督の両立が大変だったので、三日月が代わりに捜査するという話にしてしまいました。今思い返せば、体力的にも『よくあんなことできたな』って感じです（笑）」

──まさかそんな背景があったとは…。麻生さんはいかがでしょう？

麻生「シーズン1の最終回、りょうさんがゲストのお話の最後の解決シーンの撮影日に、私、胃腸炎にかかってしまって。本当に使い物にならず、出番を減らしてもらったんです。現場にはいたんですけど、ほとんど立っていられないような状態で。後半にオダギリさんと2人で階段を上がるシーンがあったんですけど、そこはそういう事情があったから私をおんぶしてくれました。でも、夜中に撮影が終わったところで復活したんです（笑）」

──お二人とも貴重なお話ありがとうございます！ では、最後に「時効警察はじめました」の見どころを、代表して麻生さんからお願いします！

麻生「掛け合いだと思います。時効管理課のみんなの掛け合い、パワーアップしてますよ！」

──ありがとうございました！

取材・文／テレビ朝日担当 I・S
撮影／中越春樹