台風19号が命に関わる理由 大切な人を守るために、今すぐ行動を

 台風19号が直撃する関東地方と東海地方では、記録的な暴風や大雨となる恐れがあり、厳重な警戒が呼びかけられています。その理由は、台風の「雨雲の大きさ」「暴風域」「速度」にあります。

 

気象衛星が捉えた、11日10時50分の台風19号(気象庁提供)

 台風19号は、台風を取り巻く「活発な雨雲が大きく」、「暴風域が広く」なっています。そのうえ、上陸前の北上スピードが時速20キロ程度と、比較的「遅い」のが特徴です。このため広い範囲に、長い時間にわたって、激しい雨や暴風をもたらすのです。

  風が特に強く吹くのは「関東地方」です。予報円の最も西側を通った場合、関東のほぼ全域が台風の進行方向の右側、「特に危険な風が吹くエリア」に入ってしまいます。

  雨量が特に多くなるのは、関東や東海の「南東向きの山の斜面」ですが、平野部でも「目を疑うような雨量」が予想されています。川の水があふれるだけでなく、排水が追いつかず、地下施設や低い場所を通る道路などが水に漬かってしまうことが考えられます。

  潮位が高い「大潮」の時期でもあり、台風の接近と「満潮」時刻が重なるという点も非常に危険です。沿岸部では高潮や高波への対策も欠かせません。

  台風19号は、命に関わるとても危険な台風です。大切な人を守るために今すぐ行動してください。(気象予報士・中川裕美子)

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