輸入が10倍に激増、台湾発「タピオカ人気ブランド」トップ10

一部で「ブームがピークを過ぎた」と言われ始めたタピオカドリンク。しかし、ビジネスの現場では、まだまだ高い熱量を放っているようです。

タピオカをさらに日本へ売り込もうと、10月7日には日本のJETRO(日本貿易振興機構)に相当する台湾貿易センターが、東京・銀座の「GINZA SIX」で商談会を開催。タピオカの原材料や包装資材などを手掛ける台湾企業33社が出展しました。

日本におけるタピオカビジネスは、台湾企業にどう映っているのでしょうか。商談会当日に開かれた「台湾タピオカ産業セミナー」の内容から探ります。


タピオカブーム、日本は実は後発組

タピオカの生産量が1日300トンを超える台湾。これはタピオカドリンク300億杯分に相当する量です。

台湾貿易センター東京事務所の陳英顕所長によると、世界のタピオカブームは台湾を皮切りに中国、アメリカ、オーストラリアなどへと広がり、最後の最後に日本での流行が始まったといいます。

日本向けのタピオカ輸出金額(2019年1~8月)は2,679万ドルを記録し、前年同期の237万ドルから約10倍の急成長を遂げました。

台湾ではコンビニより多いタピオカ店

台湾にはタピオカドリンクを含む「ハンドシェイクドリンク」の店舗が2万2,482店あるといい、その数はコンビニを上回ります。

フランチャイズで海外進出している企業は約150社。最も店舗数が多いのは「CoCo都可」の約3,500店舗で、2位は日出茶太(Chatime)の約2,500店舗、3位が貢茶(GONG CHA)の1,500店舗となっています。

同センターが、複数サイトのランキング情報を元に人気を集計し、ブランド価値や味の再現度、日本の食材を使用しているかなど、独自の視点を加えて分析した結果、日本で人気のタピオカブランドのランキングは以下の順位となりました。

タピオカブームはどこまで広がるのか

台湾のタピオカブランドの日本進出が増えてきましたが、日本市場はどのようにとらえられているのでしょうか。陳所長は日本市場は競争が激しく、ハードルが高いと語ります。

「日本は品質にこだわり、特に食べ物の分野は厳しい基準が設けられています。少しでも添加物・防腐剤を入れたらダメで、他の国よりハードルが高い。また、おいしさだけでなく、包装や店の内装、従業員のマナーにも厳しい。台湾の企業は世界中で成功例を作ってから、日本に来ます」

また、メディアでは「タピオカはピークを過ぎている」と報じられていることに触れ、「タピオカはまだ黎明期で、芽が出たばかり」と否定。アメリカではタピオカが定着したことを挙げ、日本も今よりも緩やかな成長になると予測しました。

さらに、価格について「700円は少し高い気がします。スターバックスと同じぐらいの価格になるのが合理的」と指摘します。

商談会には200人以上が訪れ、会場は熱気に満ちていました。「業務スーパー」など向けに冷凍タピオカの製造を手掛ける企業に聞くと、日本の急激なタピオカ需要の高まりで生産設備を増強したといいいます。3度目のブームに沸くタピオカは、今度こそ日本に定着することはできるでしょうか。

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