知らないと恥ずかしい!?海外で話題になっている”サステナブル映画”を一挙ご紹介

近年、「サステナブル」についての書籍や、特集が組まれた雑誌が本屋に並ぶようになりました。また、本や雑誌だけでなく「サステナブル」にまつわる映画も制作され、中には世界中で話題になったものも。

この記事では、「サステナブル」という言葉が社会に定着しつつある今だからこそ、現状の環境問題を知るために見ておくべき映画をご紹介します。

 

1.「ザ・トゥルー・コスト~ファストファッション 真の代償~」(2015年/アンドリュー・モーガン監督)

※画像はイメージ画像です                 

 

華やかなファッション業界の闇に焦点を当てたドキュメンタリー映画。

 

ファストファッションの流行などこの数十年で服の価格は低下する一方、人や環境への代償は劇的に上昇してきました。

 

この作品はきらびやかなランウェイからスラムまで、服を着ることだけでなく“つくる人々”に注目し、世界中で撮影を行うことでアパレル産業が抱える問題を明らかにしています。権力と貧困の問題など、服を巡る知られざるストーリーに光を当てることで、「服に対して本当のコストを支払っているのは誰か?」という問題を提起しています。

 

作中では、ステラ・マッカートニーやリヴィア・ファースなどファッション業界で影響力のある人物、環境活動家として世界的に著名なヴァンダナ・シヴァへのインタビューも。さらに、フェアトレードブランド「ピープル・ツリー」代表のサフィア・ミニーの活動も紹介しています。

 

監督のアンドリュー・モーガンは、よりよい世界の実現をテーマにしたフィクション、ドキュメンタリー、コマーシャル、映画を手掛けてきたことで国際的に知られています。アンドリューは、バングラデシュ・ダッカ郊外の縫製工場で起こった倒壊事故から、低価格の服には悲惨な労働の裏側があることを知り、この作品を手掛けるきっかけとなったと語っています。

 

私たちは何をどう着るべきなのかを考えさせてくれる作品。女優のエマ・ワトソンが「なぜピープル・ツリーのコレクションのデザインをしたのか知ってほしい。ザ・トゥルー・コスト を見て!」と呼びかけたことで、話題となりました。

 

2.「不都合な真実」(2006年/デイヴィス・グッゲンハイム監督)

※画像はイメージ画像です

 

第79回アカデミー賞にて、最優秀長編ドキュメンタリー賞と最優秀主題歌賞を受賞。30年以上にわたり地球温暖化の深刻さを訴えてきたアル・ゴア前米副大統領の活動に迫ったドキュメンタリー映画です。

 

アル・ゴアが地球の危機を訴えるために世界各国で行った講演は1,000回を越えるといわれています。作中では、その講演の模様に彼自身の独白を交えつつ、「人類が地球のために何ができるのか」を訴え続ける闘いの日々を記録しています。

 

この作品が衝撃的な現実を突き付けたことで、アメリカをはじめ世界各国に地球温暖化の深刻さと対策の必要性を知らしめました。そして2007年、アル・ゴアはノーベル平和賞を受賞しました。

 

また、2017年には同作の第二弾となる「不都合な真実2:放置された地球」が公開されました。2006年の作品から10年経ち、地球温暖化はかつてないほど危機的な状況にあるものの、解決策はまだ私たちの手の届くところにあるということを訴えています。

 

世界各国の気候変動問題の捉え方を変えるきっかけとなった第一弾、そして地球温暖化の現状を伝える第二弾は、併せて見ておきたい作品です。

 

3.「Cowspiracy: サステイナビリティ(持続可能性)の秘密」(2014年/キップ・アンデルセン、キーガン・カーン監督)

 

地球温暖化をはじめとする環境問題の一番の原因は、食肉用の牛をはじめとした家畜にあるとして、環境問題のタブーに切り込むドキュメンタリー映画。タイトルの「COWSPIRACY」とは、「COW(牛)」と「CONSPIRACY(陰謀)」の造語です。

 

地球環境保護を唱える環境団体や政府は、どうして畜産が環境問題の大きな原因となっていることに触れないのか? その理由に迫るとともに、「肉を食べない」という選択肢が地球環境の保全に繋がっていくことを唱えています。

 

環境問題について新たな視点で考えさせられ、日々の食生活やライフスタイルを見直すきっかけとなる作品です。

 

4.「幸せの経済学」(2010年/ヘレナ・ノーバーグ・ホッジ監督)

 

行き過ぎたグローバル経済によって“新たな貧困”が生まれてしまった今、持続可能で豊かな暮らしを目指すにはどうしたらいいのか―。30年前まで外国人立ち入り禁止地域だったにも関わらず、近代化によって伝統的な生活が一変してしまったヒマラヤの辺境・ダラックの人々に迫ったドキュメンタリー映画。

 

昔はいきいきとしていたダラックの人々が、「(欧米文化に比べ)私たちは何も持っていない、貧しいんだ。支援が必要だ」と訴えるようになった姿をもとに、環境活動家たちがグローバリゼーションの代償を指摘しています。

 

そして、その解決のためには、「グローバリゼーション」から「ローカリゼーション」に向かうべきだと提案。豊かな暮らしとは何なのかを考えさせられる作品です。

 

ご紹介した4作品をはじめ、映画なら気軽にさまざまな社会課題について考えることができます。新たな気づきや視点をもたらしてくれる作品を、ぜひ鑑賞してみてください。

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