被害男児側が茅ケ崎市など提訴 「いじめ放置、事実隠す」

横浜地裁

 茅ケ崎市立小学校に通っていた男子児童(12)が同級生からのいじめが原因で2年以上にわたり不登校になった問題で、男子児童と両親が11日、市と同級生5人の親権者に計3600万円余りの損害賠償を求める訴訟を横浜地裁に起こした。

 訴えによると、男子児童は2015年5月~16年3月ごろ、「お前は俺のおもちゃだ」などと言われて馬乗りの状態で殴られるなど、複数の同級生から暴力や暴言を受け続けた。同年4月には登校できなくなり、同月下旬には「心的外傷後ストレス障害(PTSD)」を発症。その後私学に転校した。

 男子児童側は「担当教諭はいじめを放置して助長させ、問題発覚後の聞き取り調査でも当初は事実を隠蔽(いんぺい)し明らかにしなかった。学校側も適切な措置を講じなかった」と主張。同級生らに対しては、「物理的、心理的苦痛を継続的に与え続けた」と非難し、監督義務のある親権者は賠償責任を負うとした。

 学校側は16年3月、男子生徒の両親からの訴えで問題を把握。市教育委員会が設置した第三者委員会は昨年12月、日常的ないじめを認定し、当時の担任や学校側の対応が不適切だったとする最終報告書を公表した。市教委学校教育指導課は「まだ訴状がこちらに届いておらず、回答できる段階にない」とコメントした。

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