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マンハッタン

貧困率が過去最低水準 全米で世帯収入増加

ビル・デブラシオ市長室は先月30日、経済成長の継続に伴い、ニューヨーク市内の貧困線以下の所得者層の数が昨年、最低を記録したと発表した。同日付ウォールストリート・ジャーナルが伝えた。

米国勢調査のデータによると、市の貧困率は2013年から18年にかけて3・6ポイント低下し、17・3%だった。市の専門家の分析によると、1970年代以来最低の水準。貧困状態にある子供の割合は、同期間で6ポイント減少し、昨年は23・8%だった。

報告書によると、同期間における全米世帯収入の中央値は10%上昇して6万1937ドル、市の中央値は13%上昇して6万3799ドルだった。また、市の昨年の失業率は4・1%で、前年の4・6%から減少。

市長は声明で「時給15ドルの最低賃金や、無償のプリスクールなどの導入により、働く世帯に対してより多くの収入がもたらされた。全ての市民に対し、公平な街づくりを行っている」と述べた。


マンハッタン

鉄パイプでホームレス撲殺 睡眠中の4人が死亡

マンハッタン区チャイナタウンで5日未明、ホームレスの男性5人が睡眠中に金属製の棒で殴られ、4人が死亡、1人が重体となった。NYPDは7日、24歳の男の身柄を、同事件の容疑者として拘束した。7日付NBCニューヨークが伝えた。

ランディ・サントス容疑者は同日、殺人と殺人未遂容疑で法廷に召喚された。NYPDのマイケル・バルダサノ氏は、被害者5人は全て睡眠中に襲われ、現時点では無差別襲撃と思われるが調査中だと述べた。

ビル・デブラシオ市長は7日、この事件を受け、チャイナタウンでのホームレス支援活動を強化すると発表した。

市内のホームレスの数は、ここ10年で過去最大水準に増え、過去5年間に年平均7人が殺害されているという。


クイーンズ

若者が波にのまれ遭難 ロッカウェービーチ

クイーンズ区ロッカウェービーチで1日、少年2人が波にのまれて行方不明になった。沿岸警備隊は2人が溺死したと推測して、遺体を捜索している。2日付ゴッサミストが伝えた。

ビーチ96ストリート付近で午後3時30分ごろ、サーフボードで沖に出ようとしていたラレナ・ガルシアさん(42)が、溺れていた15歳の少年を救助。少年はガルシアさんに「16歳の友人2人が助けを必要としている」と訴えた。

NYPDはヘリコプター、ダイバー、ボートを動員し、行方不明の2人の捜索を開始。

救助された15歳の少年はセント・ジョンズ・エピスコパル病院に運ばれた。行方不明だった友人2人のうち、1人の遺体が4日にビーチで発見されたが、もう1人はいまだ行方不明のままだという。

海岸では、シーズン終了の9月8日以降、ライフガードがおらず、ビル・デブラシオ市長は、暑さがぶり返す同期間中、人員配置を強化していた。安全を第一に考え、ビーチでは海に入らないよう呼び掛けている。


ブルックリン

自転車が車と接触 10歳の少年死亡

ブルックリン区ケンジントンで5日午前、無免許運転をしていた男の車が、自宅前で自転車に乗っていた10歳の少年に衝突、少年が死亡した。6日付ニューヨークデイリーニュースが伝えた。

同区のセトンプレースとフォスターアベニューの交差点付近を運転していたビクター・メジア容疑者(29)は、青信号の際に左折しようとして、少年と衝突。少年は付近の病院に搬送されたが、数時間後に死亡した。

少年は公立校134校の生徒で、3人兄弟の真ん中。事故発生時は、友達数人と自転車に乗っていたという。

検察によると、メジア容疑者はこれまで運転免許を申請したことがなかったという。同容疑者は無免許運転と、注意義務を怠った罪で起訴され、6日にブルックリン区刑事裁判所で罪状認否を行った後、監視下で保釈となった。

裁判所は、11月4日の再出廷を命じ、自動車を運転しないよう言い渡した。

市内でのサイクリストの死亡事故は、今年に入ってこれで22件目となった。


ロングアイランド

男が日本刀振り回す 酒店の店主が射殺

サフォーク郡ポートジェファーソンで3日、酒類販売店で日本刀を振り回した男が、店主に射殺された。同日付NBCニューヨークが伝えた。

同日午後2時ごろ、東メインストリートの酒店「ポート・ジェフ・リカー」にポンチョを着た男が現れ、カウンターの店主に向けて、何も言わずにいきなり日本刀を3回振り回した。

店主はカウンターの下から銃を取り出して男に向かって1回発砲。男は胸部に被弾し、死亡した。

死亡した男は、セオドア・スコヴィルさん(50)と判明。店主は発砲した直後に「発砲せざるを得なかった」と、警察に通報したという。

捜査にあたったケビン・ベイラー警部補は、監視カメラの映像が店主の申し立てどおり正当防衛を裏付けてるものだったため、起訴はないものと予想していると語った。

一方で、死亡したスコヴィルさんの行動は、強盗や怨恨からの犯行には見えず、警察は日本刀の入手先や、スコヴィルさんがなぜ酒店に刀を持ち込んだのかを捜査している。


ブロンクス

ライオンの前でダンス 女が動物園の柵越える

先月28日、ニューヨーク市のブロンクス動物園で来園者の女が柵を乗り越えライオンの囲いに入り、ライオンをからかう行為に及んだ。様子を撮影した映像が、インスタグラムで拡散された。4日付CBSニュースが伝えた。

柵に乱入した女は、情報提供から、マヤ・オートリーさんと判明し、警察は8日現在、不法侵入の罪で女の行方を捜査している。

来園者が撮影した同映像には、囲いに入った女が大きな雄のアフリカライオンのすぐそばまで近付き、ライオンに手を振りながらダンスを踊る様子が写っている。

ブロンクス動物園は声明を発表し、女について「重大な違反行為であり、重傷や死という結果を招く危険性もあった。柵や規則を設けているのは、来園者と職員、動物の安全を守るためである。どのような侵入行為も許さず、厳しく罰するのがわれわれの方針だ」と、声明を発表した。

その後、同園とライオンの展示場は、通常通り営業を続けている。


マンハッタン

アプリ創業者の死 6人が逮捕

人気トリビアゲームアプリ「HQトリビア」の創業者であるコリン・クロール氏が昨年10月、薬物の過剰摂取により、マンハッタン区ノリータの自宅で死亡した事件に関連して、2日、6人が麻薬密売容疑で逮捕された。3日付ニューヨークポストが伝えた。

ニューヨーク州南地区連邦検事局によると、逮捕された6人は、「マイクズ・キャンディショップ」と呼ばれていた麻薬宅配サービスに携わり、2017年1月から今月までのほぼ毎日、ニューヨーク市内の顧客にヘロインとコカインを密売していた。有罪となった場合、各人に最低10年の懲役が科せられる。

クロール氏は、同サービスが宅配した、ヘロインとコカインの混合麻薬の過剰摂取で死亡。同サービスはクロール氏の死後、当局の追及を逃れるため、電話番号を2回変えて営業を続けていたという。


ニュージャージー

火災で1人死亡 出火原因は調査中

ニュージャージー州ニューアークで2日早朝、一軒家で火事が発生し、1人が死亡、1人が重症、3人が軽傷を負った。同日付ABC7が伝えた。

同日午前6時ごろ、ニューアーク市サマーアベニュー388番地の住宅で火災が発生し、消防士が駆け付けた。警察広報によると、男性1人が炎を逃れるために2階の窓から飛び降り、頭部に外傷を受けた。7日現在、男性の容態は安定しているという。ニューアーク消防署のルーファス・ジャクソン署長によると男性は3階に住んでおり、2階、または左隣のむき出しの棚に飛び降り、地面に着地した模様。

7日付のパッチによると、死亡した男性は、地下の一部屋に住んでいたジョージ・レムスさん(58)。火事で犬2匹も死亡。軽傷だった3人は病院で治療を受けた。被災した住人らが移転する仮設住宅は赤十字社が支援している。

勢いが激しかった炎は消防活動により、隣家に移ることなく鎮火した。火災の原因は調査中で、7日現在も不明。


マンハッタン

14丁目で自家用車制限 バスの運行改善狙う

マンハッタン区で最も交通量の多いルートの一つである14ストリートで、バスの運行を円滑にするため、自家用車の大半を通行禁止にする試験プロジェクトが3日から始まった。2日付パッチが伝えた。

トンネル改修工事のために地下鉄Lラインを閉鎖するという、現在は中止となった計画に付随して生じたプロジェクト。3〜9アベニューまでの14ストリートで、毎日午前6時〜午後10時まで、自家用車の通行が、送迎と駐車場へのアクセスを除いて禁止される。なお、バスとトラック、緊急車両の通行は制限されない。

市当局はこのプロジェクトにより、ローワーイーストサイドからチェルシーにいたる東西を走る、M14バスの速度が25〜30%早くなることを見込んでいる。市交通局によると、M14バスは市内で最も遅いバス路線の一つで、5年前に比べて利用客が30%減っている。


マンハッタン

ウーバーコプター 空港送迎を開始

配車アプリのウーバー社が3日、ニューヨーク市でプレミアム・ヘリコプターサービス「ウーバーコプター」を開始した。マンハッタン区ダウンタウンのヘリポートから、JFK国際空港まで、8分のフライトを提供する。4日付PIX11が伝えた。

料金は片道205ドル。自宅からヘリポートまで、またヘリポートから最終目的地までの車両送迎が含まれる。運行には、ヘリフライト社のヘリコプターを起用。同社の規則により、現在乗客は旅行鞄1個と手荷物1個を持ち込むことができる。

同サービスを利用するためには、同社の報酬プログラムで最高ステータスレベルであることが必要。ヘリポートでバーコードをスキャンし、運転免許証を表示するだけでチェックインができる。

同社の航空部門では、垂直に離着陸できる飛行電気自動車の提供に取り組んでいる。自動操縦で「理論的により安全」とされるサービスで、2023年に、ダラス、ロサンゼルス、そしてオーストラリアのメルボルンで開始予定


ブルックリン

有罪判決を受けた男性 26年ぶりに自由に

殺人罪で有罪となり、26年服役しながら無実を訴えてきた男性が3日、主要な証言に信ぴょう性がなくなったとのブルックリン区地方検事の判断を受けて、無罪釈放された。同日付PIX11が伝えた。

カルロス・ウイークさん(46)は1993年、男性1人が死亡し、流れ弾に当たった少女が負傷した銃撃事件に関連して、殺人・暴行容疑で逮捕されて以来、刑務所の中で過ごしてきた。

有罪判決の決め手は、ウイークさんが銃撃しているのをアパートの12階から目撃したという、姉妹2人の証言だったが、検察と弁護団は、証言が脅迫されて行われたものだと主張した。最近行われた調査では、姉妹の1人が証言を取り消し、もう1人は銃撃事件を覚えていないと述べた。

これを受け同区のエリック・ゴンザレス地方検事は、「もはや有罪判決を支持することはできない」と結論。同局は過去5年間に100件以上の判決を見直しており、今回の決定は、見直しにより否認された27件目となる。


ロングアイランド

窓から鹿が侵入 アサロン客も驚き

ロングアイランドにある美容院に5日午後、鹿が突然乱入し、経営者と客数人を驚かせた。6日付CBSニューヨークが伝えた。

同区サフォーク郡レイク・ロンコンコマの美容院「ビー・ユー・ティフル」の監視カメラ映像によると、鹿が正面のガラスを割って飛び込み、30秒未満の間に店内のあらゆるものをなぎ倒した。ソファーにいた女性客が鹿に蹴られたが、けがはなかった。

警察が到着したのは、すでに鹿が立ち去った後だった。逃げた鹿の角には、ヘアアイロンが引っ掛かったままで、経営者は「店のおごりよ」と冗談を飛ばした。


マンハッタン

20の新公立学校を開設 非営利団体と市が協力

ニューヨーク市のビル・デブラシオ市長と市当局は3日、非営利団体の資金援助により、今後3年以内に公立学校20校を開校すると発表した。同日付パッチが伝えた。

カリフォルニア州の非営利団体「XQインスティテュート」と、地元の慈善団体「ロビンフッド財団」からの3200万ドル規模の支援により、今後、20校を新設し、既存の20校の改善を行っていく。支援金の半分は、教師・生徒・保護者らからなる、新設校のモデル案および既存校の改善案を提出するチームのために使用されるという。

市内5区の各区で少なくとも1校ずつ、新設と既存の高校計20校を支援し、他の20校は小中学校になる予定。新設校に対しては入学基準を一切設けない。

XQインスティテュートは、アップルの創業者スティーブ・ジョブス氏の妻であるローレン・パウエル氏が共同設立者で、市内の高校最大10校に対して1000万ドルを提供。同団体はコミュニティー主導の学校改善プログラムを、全米で支援している。

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