【台風19号】〝未経験〟の暴風雨に備え ロープで船固定

台風19号の接近に備えて船を係留する乗組員ら=11日午後3時半ごろ、横浜市中区の象の鼻

 台風19号の接近に備えて、県内の各港では小型船を船だまりに移してロープで固定するとともに、風で飛ばされる恐れのある道具などの片付けに追われた。9月に台風15号が首都圏を直撃した際、横浜港では錨(いかり)が効かず漂流した船舶による事故が相次いだため、第3管区海上保安本部などは徹底した対策を求めている。

 第3管区海上保安本部は、東京湾で避難のため錨を下ろして停泊している船舶に対し、錨を降ろしたまま強風で流される「走錨(そうびょう)」対策をするよう勧告、停泊船舶の監視態勢を強化している。

 運輸安全委員会は、過去に走錨した船舶は停泊時に使用していた錨が一つだけというケースがあるとして「走錨を防ぐには錨を二つとも使うのが基本」とした上で、錨と船をつなぐ鎖をできる限り長く伸出して抵抗力を増大させるなど万全の措置を取ることを求めた。

 横浜市港湾局は「今までに経験したことのないような暴風雨、高潮、高波が生じる恐れがある」として、台風通過時は海岸線には近づかないように注意を呼び掛けている。

© 株式会社神奈川新聞社