横浜文化賞、劇団四季など6人1団体が受賞

劇団四季(撮影:山之上雅信)

 横浜市は11日、芸術や教育、スポーツ振興などの発展に尽力した地元ゆかりの個人・団体に贈る2019年度横浜文化賞と、同賞文化・芸術奨励賞の受賞者6人と1団体を発表した。贈呈式と記念コンサートを11月22日、横浜みなとみらいホール(同市西区)で開催する。

 横浜文化賞の「文化・芸術部門」は、劇団四季と、ゴールデン文具取締役会長の平出揚治さん(77)、横浜国立大学名誉教授の吉田鋼市さん(72)。「社会貢献・スポーツ部門」は、関内・関外地区活性化協議会会長でキタムラ代表取締役の北村宏さん(71)、横浜市立大学木原生物学研究所木原記念室名誉室長の木原ゆり子さん(82)。若手・中堅を対象とする同賞文化・芸術奨励賞には、画家の淺井裕介さん(38)、映画館シネマ・ジャック&ベティ支配人の梶原俊幸さん(42)が選ばれた。

 9月に開かれた選考委員会(委員長=窪田吉信横浜市立大学長)で決定。11月の記念コンサートには、18年に同賞文化・芸術奨励賞を受賞したバイオリニスト大関万結さんが出演する。市は市民250人を招待する。問い合わせは、市文化振興課電話045(671)3714。

 受賞者の功績は次の通り。(敬称略)

 劇団四季(げきだんしき) 市内に稽古場を置く、日本の代表的劇団。子どもたちに本物の舞台芸術に触れる機会を提供する活動にも力を入れ、市内では昨年までの40年間で約55万人が舞台を鑑賞した。

 平出 揚治(ひらいで・ようじ) 取り扱い点数1万点以上の書道用品専門店を経営する傍ら、書道の日中交流など50年以上にわたって書道文化の普及・振興・後継者育成に貢献。野毛地区の振興にも尽力している。

 吉田 鋼市(よしだ・こういち) 横浜を代表する西洋建築史の研究者。市の建築史で学問的に大きな功績を残すとともに、専門的な見地に基づき、横浜のみならず県内各地の建造物の保存、活用に貢献している。

 北村 宏(きたむら・ひろし) 関内・関外地区活性化協議会会長としてリーダーシップを発揮。「横浜セントラルタウンフェスティバルY160」実行委員長としても、にぎわいづくりに寄与している。

 木原 ゆり子(きはら・ゆりこ) ゲノムの概念を確立した遺伝学者で植物学者の父・木原均博士(故人)の理念を受け継ぎ、生命科学の振興に尽力。講演会なども企画し、博士の研究姿勢や業績を伝え続けている。

 淺井 裕介(あさい・ゆうすけ) 市内の文化施設などでの企画展に多くの参加実績を持つ。国際芸術祭への招聘(しょうへい)や海外でのアートプロジェクトへの参加も複数予定し、世界的活躍が期待される。

 梶原 俊幸(かじわら・としゆき) 映画業界との幅広いネットワークを生かした上映作品で多くのファンを魅了。地域のイベントにも映画を切り口に積極参加、文化芸術によるまちづくりに貢献している。

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