発祥の関西からそごうが消える 西神店、都心部との競争厳しく

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来年8月での閉店が決まったそごう西神店=神戸市西区糀台5

 来年8月末での閉鎖が決まったそごう西神店(神戸市西区)。神戸市が開発を進める西神ニュータウンの中核施設として周辺住民に親しまれたが、距離の近い都心部の百貨店との差別化に苦しみ、専門店やインターネット通販の台頭もあって赤字が続いていた。同店の閉鎖で、大阪発祥の「そごう」が関西から姿を消す。(三島大一郎)

 そごうは1830(天保元)年、十合伊兵衛(そごういへい)が大阪で古着屋「大和屋」を開業したのが始まり。77(明治10)年に十合呉服店に改称した。百貨店の市場規模が最盛期を迎えていた1990年、神戸市の誘致を受け、西神店を出店した。

 ところが、ユニクロなど低価格帯の専門店やアウトレットモールなどの大型商業施設が登場し、状況が一変。商圏の西神住宅団地の“オールドタウン化”も進み、人口は2005年の約5万3千人をピークに19年は約4万8千人に減った。

 同店は売り場を改装するなどてこ入れを図ったが、そごう・西武(東京)の広報担当者は「大阪や神戸など都心部の百貨店と商品力、提案力で勝負することが難しくなった」と認める。ネット通販の普及も追い打ちをかけた。07年度以降は赤字が続いていたという。

 「そごう」は00年に加古川店(加古川市)、09年に心斎橋店(大阪市)が閉店。神戸店はそごう・西武を傘下に持つセブン&アイ・ホールディングスから取得したエイチ・ツー・オー(H2O)リテイリングが5日、屋号を「阪急」に変えた。H2Oは当初、西神店も譲り受けるとしていたが方針を転換。同店が関西唯一の「そごう」として残っていた。

 流通科学大商学部の白貞壬(ベックジョンイム)教授は「限られた顧客をターゲットにする百貨店は都心部の立地でなければ存続することが難しくなっている。専門店を集めて幅広い客層を取り込めるショッピングセンター化が加速するのでは」としている。