古典でひもとく創作の縁 広島・京都文化フォーラム

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古典をひもときながら広島と京都の文化の接点について語り合うパネリストたち=広島市中区の中国新聞ホール(撮影・藤井康正)

 広島・京都文化フォーラム2019「雅(みやび)と創造 古典でひもとく」(京都新聞、中国新聞社主催、JR西日本特別協賛)が12日、広島市中区の中国新聞ホールであった。昨年度の文化勲章受章者である陶芸家今井政之さんたち家族のトークに続き、古典をひもときながら広島と京都の文化の接点を探るパネル討議があり、約400人が聞き入った。

 京都市在住で竹原市に窯を構える今井さんは、長男眞正(まきまさ)さん、次男裕之さん、孫の完眞(さだまさ)さんと登壇。広島県立美術館の福田浩子学芸課長の司会で、3代に受け継がれる創作の精神について語り合った。

 続いて、国際日本文化研究センター教授の荒木浩さん、染織家で染司(そめのつかさ)よしおか6代目吉岡更紗(さらさ)さん、喜多流能楽師の大島衣恵さんがパネル討議。山中和久・中国新聞社文化部長の進行で意見を交わした。

 日本古典文学が専門の荒木さんは、かつて京都に存在し、万葉集などの舞台となった巨椋池(おぐらいけ)を描いた蛎崎波響(かきざき・はきょう)「月下巨椋湖舟遊図」について解説。江戸後期の儒学者で現在の福山市出身の菅茶山が、波響ら京都の文化人と舟遊びに興じた思い出の絵であり、広島県立歴史博物館(福山市)に所蔵されている縁を説いた。

 喜多流初の女性シテ方として同市を拠点に国内外で活躍する大島さんはその菅茶山が登場する創作能を紹介。巨椋池があった地で植物染めを究める吉岡さんは先人の営みに思いを寄せながら後世に伝える意義を語った。