「行政が積極支援を」 長崎で犯罪被害者支援シンポジウム

「一人一人に関心を持ってほしい」と訴える岩城さん=長崎市平野町、長崎原爆資料館ホール

 犯罪被害者支援について考えるシンポジウムが12日、長崎市内であり、傷害事件がもとで大学生の長男を亡くした岩城順子(よりこ)さん(67)=京都府木津川市=が講演。「普通に暮らしていた人に突然降り掛かる。行政に被害者支援に特化した制度があれば助けられる」と各市町が積極的に取り組むよう訴えた。
 7月に長崎県犯罪被害者等支援条例が施行されたことを受け、機運を高めようと県などが主催。県によると、県内で同様の条例があるのは県のほか、佐世保、壱岐、島原の3市。
 岩城さんは事件後、どこに相談すればいいか分からず、眠れない日々を送った。「何の非もないのに必要な時に必要なサポートが受けられなかった」。その経験を踏まえ、2008年1月から「京都府犯罪被害者サポートチーム」の一員として府内の自治体を回って働き掛けた。現在、府内すべての自治体に被害者支援の条例があるという。岩城さんは「一人一人が関心を持ち、理解を深めることが安心・安全な町づくりにつながる」と強調した。
 支援の在り方を考える識者らのパネルディスカッションもあり、市民ら約180人が参加した。

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