大阪市営住宅に指定管理者導入 孤立防止に配慮

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維持管理に指定管理者制度が導入される大阪市営住宅=大阪市内

 大阪市は2021年度から、市営住宅の維持管理に地方自治法が定める指定管理者制度を導入する。民間活力を導入することでコスト削減やサービス向上につながるとの理論だが、一方で入居者には独居高齢者や低所得層も多く、世帯が孤立しないよう「地域とのつながり」を重視する福祉的配慮を求める声もある。

 市によると、大阪市営住宅は約11万戸あり、公営住宅法に基づき市住宅供給公社が管理、運営を手掛ける。一方、20ある政令市のうち、12市で指定管理者制度を採用、府営住宅も既に制度を取り入れている。

 市議会は、9日の本会議で関連予算を盛り込んだ補正予算を可決。関連予算は、橋下徹市長(当時)時代の14年度に提案したものの市議会の反発で削除され、16年度も提起したが各会派との調整が不調に終わり、取り下げた経緯がある。

 市議会が反対してきた主な理由が倒産リスクや市内統一のサービスなど運営の安定性が維持できるかという懸念。また「競争原理を過剰にあおる」「全域を一括管理する方が効率的」などと慎重な声が根強いが、市は「この10年で倒産事例は聞いていない」「よりよい提案を求めるため市域を分割」との考えだ。

 一方で、地域団体との連携を踏まえた「居住支援サービスに配慮」するよう求める付帯決議を全会一致で可決。国土交通省でも17年、生活支援や入居支援を盛り込んだ「居住支援施策」を示しており、見守り訪問や災害時など入居者が地域で孤立しないよう担保できるかどうかも課題となる。

 市都市整備局の篠原祥局長は市議会で「サービスの低下を招かないことが最重要。入居者の声を適切にくみ取りながら工夫を凝らしていく」と答弁している。