ひきこもり40歳以上は別、たらいまわし 支援窓口一元化へ

京都府の引きこもり実態調査(2017年)

 京都市は来年度から、ひきこもりの相談窓口を一本化する。現在は相談者の年齢や相談内容に応じて複数の部署で受け付けてきたが、相談者から「分かりにくい」といった声が上がっていた。病気や介護、生活困窮など抱えている課題はさまざまで、ワンストップ対応で切れ目のない支援につなげる。

 市は現在、相談者が39歳以下の場合は中央青少年活動センター(中京区)、40歳以上はこころの健康増進センター(同区)で対応している。不登校の悩みや生活保護の申請など相談内容によっては教育委員会所管のこども相談センターパトナ(中京区)や区役所・支所でも受け付けている。

 市内の15~64歳のひきもりの人は推定約1万3500人で、昨年度の相談件数は233件。内訳は中央青少年活動センター191件、こころの健康増進センター31件、こども相談センターパトナ11件だった。

 市が昨年9~12月、市内でひきこもりの人の支援活動を行っているNPO法人など13団体を対象に活動状況や課題を聞き取り調査したところ、「相談窓口が分かれていてどこに相談したらいいか分からない」と指摘する声が上がった。市は、たらい回しを懸念して相談自体をためらっているケースも多いとみる。

 一本化する相談窓口は新部署とするか、既存の部署に人員を配置するかは未定。来年度は市社会福祉審議会に専門分科会を設け、実効性のある支援体制や関係機関との連携のあり方を考える。京都市育成推進課は「パターン化することなく、効果的な支援につなげたい」としている。

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