【MLB 優勝決定S】田中将大の緻密な投球は「アート」 快投に賛辞やまず「リベラに匹敵する成績」

6回無失点と好投したヤンキース・田中将大【写真:Getty Images】

PS通算防御率1.32はリベラの0.70に次ぐ球団2位「注目を集める時、最高の投球を見せる」

■ヤンキース 7-0 アストロズ(優勝決定シリーズ・日本時間13日・ヒューストン)

 12日(日本時間13日)に敵地ヒューストンで行われたリーグ優勝決定シリーズ第1戦に先発し、今季107勝を挙げたアストロズ相手に6回1安打無失点と快投したヤンキースの田中将大投手。今年もポストシーズン(PS)で絶大な勝負強さを見せつけている。PS通算防御率1.32は、ヤンキースではマリアノ・リベラに続く球団歴代2位に。MLB公式サイトは「タナカはリベラに匹敵する10月の成績を残している」と特集を組み、その活躍を称えている。

 強打のアストロズ打線をほぼ完璧に抑え、敵地を沈黙させた田中。称賛の声は止む気配がない。MLB公式サイトは「マサヒロ・タナカのヤンキースでのレガシーの一部は、彼が10月に活躍するということである。それはどのように測れるだろうか? マリアーノ・リベラと比べることによってである」と言及。今年、史上初の満票選出で米野球殿堂入りした伝説のクローザーに肩を並べる存在になりつつあるという、最大級の賛辞を送っている。

 記事では「大舞台で注目を集める時、タナカは最高の投球を見せる。土曜日の夜に行われたア・リーグ優勝決定シリーズの第1戦でもまたそうだった」と、大一番で真価を発揮する田中の勝負強さを特筆。これまでPSで7試合に登板し、41イニングで防御率1.32、すべての試合で自責2以下に抑えているという圧倒的なデータを紹介した上で「ポストシーズンで40回以上投げたヤンキース投手の中で、これより良い防御率なのはリベラの0.70だけである」と伝えている。

「緩急をつけることとストライクゾーンのギリギリに投げることのアート」

 そして、「第1戦はヤンキースが勝たなければならない試合だった。なぜなら、シリーズが長引けば、アストロズはエースのジャスティン・バーランダーとゲリット・コールが残りの6試合のうちの4試合に登板するからである」と指摘。第1戦で田中が投げ勝ったグリンキーだけでなく、バーランダーとコールというメジャー屈指の右腕を揃えるアストロズの先発陣はあまりにも強力。特に、今季300奪三振以上をマークした剛腕コンビはポストシーズンでも安定した投球を続けているだけに、できるだけマウンドに上げたくないというのがヤンキースの本音だろう。

「タナカは完全に支配していた。アストロズ打線を直球と変化球を織り交ぜて翻弄した。試合を通して、彼は緩急をつけることとストライクゾーンのギリギリに投げることのアートをどれほど理解しているかということをアストロズ打線に思い知らせた」

 MLB公式サイトは、気迫十分ながら、丁寧にコーナーを突き続ける田中の投球を「アート」とまで表現。改めて、強打のアストロズ打線を完璧に抑え込んだパフォーマンスに敬意を表している。

 ヤンキースは第2戦を落とし、シリーズは少なくとも第5戦まで行われることが決まった。田中が再びマウンドに上がる時、アストロズがどのように対策してくるかにも注目が集まる。(Full-Count編集部)

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