【松崎順一の昭和プロダクト考古学】エプソン テレビアン

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画面は小さいが、持っていることだけで自慢できたポケットテレビ

テレビのカタログは、このコーナーでもいくつかご紹介している。60年代から70年代iにかけてはブラウン管のテレビが主流で造形的に面白いものも多い。そして80年代に入ると液晶を使ったフラットなテレビが流行りだした。筆者が子供の頃ウルトラセブンのウルトラ警備隊の隊員が腕にはめていた時計型のテレビ電話がカッコよかったのを覚えていて、当時も平面的なテレビに未来を感じたのを覚えている。そんなフラットテレビが実現化したのがソニーでは以前紹介したウォッチマンだ。そして今回紹介するのがエプソンのテレビアンだ。たぶんトレビアンに引っ掛けたと思われるが笑うに笑えないネーミングだ。1985年はバブルの始まりの年だったこともあり、価格は高かったがテレビアンは懐が豊かな人たちに売れたと思われる。ではそんな時代が生んだ液晶テレビのカタログを見てみよう。

まず表紙だが、大手のメーカーのカタログと比較すると若干地味めに見えてしまう。余計な装飾はなしに浜辺で撮影したものと手タレの女性が持つ1台は合成だと思う。ただ、シンプルな構成な分、製品が分かりやすくストレートに伝わるのは良いかもしれない。またテレビアンのロゴは目立っていないがユニークだ。

中を開くと表紙にあった液晶テレビ3機種がそれぞれ紹介されている。このページにあるのはまず一番新しいET-30だ。液晶パネルがポップアップして見やすい角度に調整できるタイプだ。そしてどのタイプにも共通するモニターとしての活用も楽しい。当時のビデオカメラは今と比べ、非常に大きい割にはファインダーしか無く、撮った映像をその場では見られなかったが、テレビアンがあればモニターとした活躍した。そしてET-20は画面がモノクロタイプだったが、携帯には便利で手に入れる価値はあったと思っている。

そして主力製品のET-10が大きく掲載されている。なんと価格は8万円台だ。この時代液晶テレビを持つのは現代のスマートフォンを持つよりもはるかにステータスで、写真のように浜辺でテレビを楽しむのも贅沢だったのだ。実際筆者もこの時代の液晶テレビを持っているが小さな画面ではあるが綺麗な画面で映っていた。

最後のページはお決まりのスペック表だが、3機種のみなのでシンプルで分かりやすい。
そしてオプションもやはり電源がネックでバッテリー等があるが、結局これらを持つとかなりの重量になってしまった。それでも需要があるほどアウトドアで見るテレビに憧れた時代だった。オプションに画面を大きく見せるフレームレンズもブラウン管テレビの時代からあったものでちょっぴり懐かしい。

出典: エプソン販売株式会社 テレビアン カタログ (1985年)

ゴールデン横丁の仲間たち | 松崎 順一(まつざき じゅんいち)

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