
記録的な大雨により、堤防が決壊した長野市穂保地区以外にも、上田市や千曲市、長野市篠ノ井など千曲川流域のあちこちで氾濫被害が発生しました。
激しい流れで護岸が崩れ、その上の住宅が崩れ落ちました。住民はおらず、けが人はいませんでした。
(区長)「音はすごかった。バリバリって音。この辺は災害が少ないところだったんですけど、まさかここまでの災害が起きると思っていなかった」
上田市では、上田電鉄別所線の鉄橋が崩れ落ちました。
台風19号がもたらした記録的な大雨により、長野市や上田市、千曲市など、千曲川の流域12カ所で濁流が堤防を越える「越水」が起きました。
堤防が決壊した、長野市穂保地区以外にも、各地で大きな被害が出ました。
(記者リポート)「千曲市では橋脚が見えなくなるほど千曲川が高い水位まで上昇しています」
千曲市の雨宮地区では千曲川の堤防が欠損。
支流の水も複数カ所で溢れ、浸水被害が相次ぎました。
一時5000人近くが避難所に。
(避難した男性)「小さな河川が溢れていました。少しね。これはちょっと危ないなと思いまして」
長野市篠ノ井では、堤防3ヵ所で水が溢れ出しました。
住宅街には、すぐに水が押し寄せてきたといいます。
(住宅被害があった住民)「『塩崎の方で(千曲川から)水が出た』という電話がかかってきた。うちは平気だろうとたかをくくっていたら、あっという間に(水が)ばーっと」
(記者リポート)「浸水した高齢者施設では、自衛隊が救助活動を行っています」
こちらの高齢者施設は、12日の未明に一階部分が浸水。
入所者は2階以上にいたため全員無事で、きのう自衛隊が避難を手助けしていました。
(施設の職員)「人命を全て守ることができたのは、よかったとは思うんですけど、すごい被害になってしまいまして、これからどうしたらいいのか」
長野市松代町でも広い範囲で浸水被害がありました。
翌日、竹内さんの家では、後片付けに追われていました。
(自宅が床上浸水した竹内進悟さん)「裏に(支流の)蛭川があるので床上まで来ると予想して避難していた」
須坂市は、北相之島で氾濫が発生し、堤防に近い住宅街が浸水。
(記者リポート)「消防がボートを使って取り残された人たちを救助しています」
消防は取り残された住民をボートを使って救助しました。
(消防隊員)「ゆっくりでいいですからね」
(救助された住民)「不安だったけど、なんとか助けてもらえてよかった」
(アナウンサー)「中野市の上空です。このあたりは千曲川が蛇行しているのがよくわかります。果樹畑でしょうか、千曲川沿いに水が浸入しています」
中野市では、立ヶ花と栗林の2箇所で越水が発生。
果樹畑や水田に、大量の泥水が押し寄せました。
飯山市は市の中心部でも浸水被害が出ました。支流の川の水が、増水した千曲川に流せなくなり、氾濫したということです。
飯山市役所も浸水。
(記者リポート)「飯山駅へと通じるこちらの道ですが、茶色い水に覆われており、奥に見える車も半分ほどが水につかっています」
(住民)「妻の実家がそこの家。こういう状況だといつ水が引けるかわからないし、ちょっと大変かなと。どうしようもない」
(家が浸水した住民)「びしょ濡れになってでも行こうかと思って。どう思う?」
(記者)「ちょっと危ない」
(家が浸水した住民)「無理だね。初めてだよ。こんなにうちに(水が)入ったの」
浸水被害だけでなく、停電も続いています。中部電力によりますと、午後3時現在、およそ「2万5830戸」が停電しているということです。
気象台によりますと、12日と13日の48時間降水量は北相木で411.5ミリ、軽井沢で333ミリ、上田市鹿教湯で327.5ミリなど、千曲川沿いで「観測史上1位」の記録的な雨が相次ぎ、増水につながりました。