陣内孝則率いるザ・ロッカーズ、日立 Lo-Dプラザでの貴重なライブ! 2019年 4月17日 ザ・ロッカーズのアルバム「Rock'n Roll」がリリースされた日

以前、一番好きな日本のバンドはバトル・ロッカーズと書いたが、一番ライブを観た日本のバンドとなると圧倒的にザ・ロッカーズだ。

10代の学生時代、洋楽中心に聴いていた私がバイト代をやりくりして行けるライブは全部行ったバンドであり、その後の再結成も都度観ているため “不動の最多ライブ数1位” は恐らく今後も変わらない。

1980年--
ロッカーズとの出会いは、母親と新宿に買い物に行ったとき。今は無きライブハウス『ルイード』の前でフライヤーを貰い、そのまま向かいの『帝都無線』に移動、新譜のコーナーを隈なく探して彼らのファーストアルバムを迷わず購入した。

その時、封入された手書きのフライヤーに『日立ローディプラザ』でのライブを発見。30名限定の無料ライブ、しかも明後日! 私は何度もアルバムを聴き、2日後のライブに放課後向かうことにした。

そう、この『日立ローディプラザ』の存在が、ロッカーズの “不動の最多ライブ数1位” に大きく貢献することになる。

『日立ローディプラザ』とは、有楽町フードセンター(現:銀座インズ)の1階にあった日立製作所のオーディオブランド『Lo-D(ローディ)』のショールーム。高級オーディオ機器に並んで試聴室やライブスペースも運営されていた。ちなみに、Lo-D とは、Low Distortion の略語らしい。

“ヤングと音楽のふれあう広場” と垂れ幕のあるライブスペースは、なんとパイプ椅子席最前列に複数のミキサー卓を設置。希望者は抽選で16チャンネルのミキサーを操作し、ステージのライブ演奏を録音したカセットテープを持ち帰ることができたのだ。

いわゆるオーディオマニア系のおじさん達が最前列に数人しかめっ面で座っている中でのライブ。私はミキサーをいじることに興味は無かったが、手を伸ばせば陣内さんに届きそうな至近距離で、疾走感と生音の迫力にすっかり魅せられて大興奮!!

それから毎週のように通いつめ、ついにはエンジニアの人に完全に顔を覚えられライブを録音してもらったりもした。もちろん、館内で買った maxell のカセットテープを渡し、ライブ後に受け取ったものには JASRAC のシールが。そんなロッカーズの maxell テープは実家に20本以上あると思う。

他にもARB、ルースターズ、シーナ&ザ・ロケッツなども複数回観ているが、逆に観られなかったのは81年の RCサクセション。

ただ、そんな時でも『ローディプラザ』にはレコード視聴のサービスがあった。カウンターで借りたレコードを視聴覚室に持ち込みヘッドホンで聴く。これも無料。ここで試し聴きした経験はかなり役に立ったし、入れなかったライブでも館内にいれば音は聞こえ、僅かな姿だって見える。

歌謡曲からロック、フュージョンまで無料ライブが毎日2ステージ、学生の私には至れり尽くせりのパラダイス『ローディプラザ』は82年5月に閉館する。奇しくもロッカーズも82年6月に解散。

そんなロッカーズは、89年、91年に再結成ライブを行い、その後も不定期に再結成ライブを行いながらメンバーチェンジを経た後、ついに今年待望のニューアルバムをリリースした。

2019年--
昔も今も “現在進行形” の陣内さん率いるロッカーズのカッコ良さは、40年前の『ローディプラザ』で手を上げて夢中に飛び跳ねた私にいつでも戻す魔法みたいだ。

最後の曲は、「可愛いアノ娘」
タイトル言ったら女の子は手ば上げちゃってん!

追記:
DJイベント『博多ビートパレード Vol.2』が、きたる10月19日(土)に開催される。ロッカーズのサウンドが爆音で轟けば、私だけでなく、みんなもその魔法を実感してもらえるはず!

カタリベ: ロニー田中

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